しのまり涙の別れ「生まれ変わってもAKBを選びます」

[ 2013年7月22日 06:00 ]

涙ぐむ山内鈴蘭を抱きしめる篠田麻里子(右)

 AKB48が21日、5大ドームツアーの福岡・ヤフオクドーム公演2日目を行い、メンバーとして最後のコンサートとなった篠田麻里子(27)が故郷のファンに別れを告げた。卒業セレモニーでは「私は生まれ変わってもAKB48を選びます」と涙の誓い。最後は、初めてセンターを務めた思い出の曲「上からマリコ」を全員で大合唱し、締めくくった。また、後任のチームA新キャプテンに横山由依(20)を指名した。

 3万2000人から割れんばかりの「マリコ」コールに迎えられ、アンコールで登場した篠田は穏やかな表情で語りかけた。

 「自分で決めたことなのに、みんなと楽しい時間を過ごしたら、まだこの場所にいたいと思っちゃいました」

 1期生から1カ月遅れの06年1月22日に秋葉原の専用劇場でデビューしてから7年半。国民的アイドルグループに育ててくれたファンや、客席から見守った家族らに感謝した上で「AKB48はまだまだ上を目指せる最高のアイドルグループです。私は生まれ変わってもAKB48を選びます」と涙声で誓った。

 篠田の代名詞になった“名演説”。場内の温かい拍手を浴びて、卒業ソング「涙のせいじゃない」を歌いだすと、こらえていた涙が一気にあふれ出した。親友の小嶋陽菜(25)、高橋みなみ(22)ら“同期”も目を真っ赤にして卒業を惜しんだ。

 AKBの世代交代を促すための決断。「あとに続く後輩たちにどういう形でバトンタッチするかが重要」という思いを行動で示した。メンバーにもサプライズで、自分に代わるチームAのキャプテンに「高橋みなみに似た努力家」と評価する横山由依を指名。決め手は「前にキャプテンやりたいってみんなに聞いた時に、いい返事が返ってきたから」。

 指名を受けた横山は「人生で1回もキャプテンをやったことない。(おしゃれな篠田と比べて)私はダサいけど、篠田さんのチームを引き継いでいくので横山チームAをよろしくお願いします」と抱負。ただ、篠田が指名した時はほかのメンバー全員が舞台裏にいたため「発表の瞬間の表情がどこにも映ってないんですよ」とボヤき、これには篠田も大笑いだった。

 AKB最後のコンサートを締めた歌は「上からマリコ」。ソロ活動が激増して卒業も真剣に考え始めていた時期にセンターとしての重責を初めて担い、AKBとの結びつきをあらためて感じさせてくれた大切な歌だ。総勢161人で大合唱。後輩たちと熱い抱擁を交わし、優しく頭をなでた。

 「私は私らしく卒業したい」と笑顔でメンバーのつくる花道を歩んだ篠田。若い芽の成長を確信し、22日に秋葉原の専用劇場で行われる卒業公演をもって、次のステージに飛び立つ。

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