松竹芸能 大阪・道頓堀に新劇場!今秋のオープン目指す

[ 2013年2月23日 12:47 ]

昭和52年当時の「角座」

 松竹芸能が大阪・道頓堀に新劇場を建設する計画を進めていることが22日、分かった。場所は2008年5月に閉館した道頓堀角座の跡地。ベテランから若手まで出演する150人規模の演芸場で、今秋までのオープンを目指すという。

 道頓堀に、角座の名物だった赤の大提灯(ちょうちん)が帰ってくる。客席が1100席あったかつての旧劇場に比べると、規模は小さいが“笑いの殿堂”復活に関係者も喜びを隠せない。間もなく着工し、開館は8月から9月ごろとみられる。劇場としては「かなりポップなデザイン」(関係者)で、客席は150人程度を予定している。

 角座といえば、江戸時代に建築され、350年以上の歴史を誇っていた。昭和初期には中座や浪花座とともに「道頓堀五座」と呼ばれ、芝居小屋として栄えた。1958年以降は“演芸の角座”として、お笑いブームをけん引。だが80年代に入り、集客の減少に歯止めがかからず84年、演芸場は閉鎖された。86年には映画館や飲食店が入る複合施設としてリニューアル・オープン。04年には地下1階に演芸場「B1角座」を復活させたが、4年後に廃座した。

 角座の演芸場が閉鎖した84年以降、松竹芸人は約600人を収容する「演芸の浪花座」に活動の場を移したが02年に閉館。その後は「ミナミのど真ん中ホール」「B1角座」と小規模の拠点劇場を転々としてきた。現在は通天閣の地下にある劇場「TENGEKI」で毎週土、日曜に興行している。角座復活の朗報にベテラン芸人らは「やっと道頓堀に劇場が戻ってくる。本当にありがたい」「若手からベテランまで出られると聞いてる。楽しみですわ」と感激しているという。

 松竹芸能はピン芸人日本一決定戦「R―1ぐらんぷり」でキンタロー。(31)、雷ジャクソン高本(37)が決勝に進出。昨年の漫才師の頂点を決める大会「THE MANZAI」ではオジンオズボーンがファイナリストになるなど若手も伸びている。

 横山たかし・ひろし、海原はるか・かなたらベテランとともに勢いのある若手らがミナミのど真ん中から笑いを発信。角座名物の赤提灯を新劇場でもトレードマークとして採用すれば、新名所として盛り上がるのは間違いない。

 ▽松竹芸能 1956年に創業。所属する芸能人には「レツゴー三匹」「横山たかし・ひろし」「海原はるか・かなた」正司敏江、落語家の桂春団治、桂福団治、笑福亭鶴光、笑福亭鶴瓶。タレントでは「よゐこ」「ますだおかだ」「TKO」「オセロ」、若手には「オジンオズボーン」「チキチキジョニー」「なすなかにし」らがいる。

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