ＮＨＫが地方ラジオ番組をネット配信　総務相に認可申請

　ＮＨＫは４日、仙台、名古屋、大阪の各放送局が放送するラジオ番組を、インターネットを通じて全国に同時配信できるよう総務相に認可申請した。

　認められれば、来年４月以降に実施。エリア以外の聴取者も３地域のローカル放送が聴けることになるが、地方局番組の同時配信は放送の県域免許制度を揺るがしかねず、民放ラジオ局は反発を強めそうだ。

　ＮＨＫは昨年９月、難聴取対策として、「らじる★らじる」の愛称で東京発のラジオ第１、第２、ＦＭ放送の全国ネット同時配信サービスを始めた。新たに、３放送局のラジオ第１、ＦＭ放送を配信したい考えだ。

　民放ラジオ各局は一昨年から同様のネット配信「ｒａｄｉｋｏ（ラジコ）」を行っているが、競合を避けるため、聴取可能なエリアは原則、都道府県やブロック単位の放送区域内に限定してきた。このため民放関係者は「ＮＨＫのネット配信をなし崩しに広げれば、民放の地方局を圧迫しかねない」と批判している。

　ＮＨＫの業務は放送法で規定されており、ネット配信などを行うには、総務相の認可が必要。