初公演客もあっちゃんに感涙「目立たなかった子が…」

[ 2012年8月26日 06:00 ]

 東京ドーム公演を特別な思いで見た人がいる。05年12月に秋葉原の劇場デビュー公演を見たわずか7人の一般客の1人、輝志道(きしどう)氏(39)だ。旅立つ前田の姿に「当時はおとなしくて目立たない子だったのに…」と感無量の表情。AKB48の次なる挑戦として「マディソンスクエアガーデンに立ってほしい」と米ニューヨークの世界的大舞台を挙げた。

 いまや伝説の劇場デビュー公演を見たファンはわずか7人。彼らは「先見の明があった」として、一部ファンの間で“神7(セブン)”と呼ばれている。

 輝志道氏は「古参でも新規でも熱く応援する心を持っていれば同じです」と言うが、7人中5人は別のアイドルグループの応援に流れるなどしてAKBから離れているそうで、文字通りの数少ない“生き字引”だ。

 今回のドーム公演も3日間すべて見る。24日の初日は、秋葉原の劇場からドームまで1830メートルを約30分かけて1人で歩いていった。オープニング曲「PARTYが始まるよ」の瞬間、熱いものがこみあげてきた。「あのデビュー公演もこの曲でスタートしたんです。当時の思い出がよみがえって泣けてきました」。

 真っ先に劇場入りして最前列の真ん中に座って見たそうで、当時の前田の印象は「表情がおとなしくて目立たなかった。あまりに暗かったので心配しちゃって、終演後スタッフに“あの子はどこか調子でも悪いの?”と慌てて尋ねたほどだった」という。前田は27日で卒業するが「まだあと2日あるという気持ちのほうが僕の中では強い。ただ、昨日、昔のビデオを見た時に、ここからあっちゃんがいなくなるとしっくりこないとは思った」と寂しさもある。

 AKBはまだまだ成長すると信じている。「次はマディソンスクエアガーデンとか海外の大舞台を目指してほしい」。

 デビュー公演の舞台を踏み、東京ドームのステージにも立ったのは前田、高橋ら5人だけしかいない。そして最古参のファン2人と合わせると…。確かにこの日、7年前から何かを信じていた“神7”がいた。

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2012年8月26日のニュース