わさみん号 「無人駅」発、東京ドーム経由、単独公演行き

[ 2012年7月17日 11:22 ]

ラッキーナンバー3を見せながら笑顔の岩佐美咲

 AKB48の岩佐美咲(17)が29日、千葉県のいすみ鉄道の無人駅・国吉駅で、ソロデビュー曲「無人駅」のヒット御礼イベントを行う。3年連続圏外だった選抜総選挙は今回、33位と大躍進。運良く「ネクストガールズ」のセンターも射止めた。8月にはAKB48の公演が東京ドームで行われるが「ドームで“無人駅”を1人で歌いたい」と夢見ている。

 「無人駅」でのソロデビューから約5カ月半。「岩佐号」が「夢人駅」に向けて走り始めた。

 6月の総選挙で33位になったことが追い風となり、実在の無人駅で「無人駅」を歌うという夢が29日に実現する。

 「曲をもらったときからずっと言ってたんですよ。無人駅で歌いたいって。その夢がかないました。しかも出身の千葉県でできるなんて」と開催が待ち遠しい様子だ。

 当日は、いすみ鉄道の国吉駅でミニコンサートと握手会を開くが、特別臨時列車「わさみん号」の1日車掌も務める。

 国吉駅から大原駅まで約20分間運行。抽選で決まったファン約40人を車内でもてなす予定だ。

 「“1日○○”って、芸能人っぽくて、憧れでした」と打ち明ける。

 このイベントが決まってからは、電車に乗った時、車掌の動作や車内アナウンスの様子を注意深く観察してきたという。

 インタビュー中、車掌の指さし確認の動きを再現しながら「“出発進行~!”ってやりますよ。ドア閉まりま~す、駆け込み乗車はおやめください」とアナウンスしてみせて得意げに笑う。

 その先の夢として描くのは、8月24~26日に開催されるAKB初の東京ドーム公演で「無人駅」を歌うことだ。

 AKBの大規模な公演は過去、全体曲のほか、ユニット曲、ソロ曲、姉妹グループの曲などで構成されてきた。3月のさいたまスーパーアリーナ公演では岩佐も約2万5000人の前でソロ歌手として「無人駅」を披露している。

 「東京ドームで歌いたいなあ。演歌は1年新曲ですからね。本気で狙っていきます」

 目を大きく開けて生き生きと語る姿から、大舞台に向けての熱い思いが伝わってくる。

 東京ドームでは、故美空ひばりさんが1988年4月、こけら落とし公演を行っている。岩佐は昨年11月、AKB選抜メンバーの一員として、ひばりさんの二十三回忌のメモリアル公演に参加し、ドームのステージを踏んだ。

 この時はメンバーと一緒に、ひばりさんの「お祭りマンボ」を歌ったが「やっぱりでかいなと思った。どんだけ広いんじゃ!って」と振り返る。

 5万人以上の観客の前で1人、「無人駅」を歌ったらどうなるのか。

 「AKBとしてもめったに立てない場所だと思う。歌えたら本望です」

 もちろん、そこが終着駅ではない。17歳の演歌歌手の前に線路がどこまでも続いている。

 総選挙で自身のポスターに載せた言葉が「夢人駅」。過去3回はいずれも圏外で「64位以内に入りたい」という思いを込めた。

 開票前、所属するユニット「渡り廊下走り隊7」のメンバーのうちAKBに在籍していない浦野一美(26)を除く6人全員のランクインを誓って本番へ。64位でいきなり小森美果(17)が呼ばれ、40位までの時点で残っていたのは渡辺麻友(18)と岩佐の2人だけだった。

 「4人入ってうれしいなと思ってたんです。でも、ちょっと待てよ…と。喜んだのはいいけど、私だけ入れなかったらどうしようって一瞬考えました」

 実はその時、“最悪の結果”が頭をよぎっていたのだという。

 結果は33位で名前を呼ばれ、48~33位の16人による「ネクストガールズ」のセンターという“おまけ”もついた。

 「初めて笑顔で終われました」と、今後の活動に向けて大きな自信となった。

 「夢みたいな感じ。0番(センターの立ち位置)を踏むのは、まだ慣れない。これまでも一瞬はあったけど、3秒ぐらいだったので、曲のサビでセンターに立っているのはうれしいですよね。前に人がいないのは変な感じだけど(踊る時に)まず真ん中の子に目が行くので頑張らなきゃなと思います」

 ネクストガールズは「一番面白いチームだと思う」と気に入っている。確かに、演歌の岩佐をはじめ、声優の仕事や著書「非選抜アイドル」のヒットで人気を高めた仲谷明香(20)や、「Google+」の投稿動画でブレークしたSKE48研究生の松村香織(22)らキャラが立つ人材が豊富だ。

 岩佐自身も「知れば知るほどはまる」と評するほどの個性派チームのセンターを獲得したのは、偶然ではなく、AKBの歴史の必然なのかもしれない。

 素顔は「アニメとかアイドルソングとか好きなのでカラオケでよく歌う」という女子高生。特に、声優として初めて東京ドーム単独公演を行った水樹奈々(32)が憧れの的で「AKBではアイドルな感じの曲を歌っているので、もっといろんな歌を歌ってみたい」と演歌とJ―POPの両立も視野に入れている。

 AKBグループのメンバーが参加する「Google+」では、ユニークな投稿でコメント欄を荒らすなど破天荒なキャラで存在感を放っている。しかし、ファンと接触する握手会ではこのキャラを十分に発揮できていないようで「握手会に来た人に“(期待していた分)なんかつまんない”って思われちゃってる部分もあるのかな。サイトでは荒ぶってるんですけどね…」と不安がる“ネット弁慶”ぶりも魅力のひとつだ。

続きを表示

この記事のフォト

2012年7月17日のニュース