「よろしくロックンロール」内田裕也 起訴猶予で釈放

[ 2011年6月1日 06:00 ]

釈放された内田裕也は集まった報道陣に向かって杖をかかげる

 交際をやめようとした女性(50)を脅して復縁を迫ったなどとして、強要未遂と住居侵入の疑いで逮捕されたロック歌手の内田裕也容疑者(71)=本名雄也=が起訴猶予処分となり、31日、逮捕から19日ぶりに警視庁原宿署から釈放された。内田は「プライベートでお騒がせして本当に申し訳ない。よろしくロックンロール」と謝罪した。近日中に会見する予定。

 東京地検がこの日、起訴猶予処分としたのを受けて釈放された裕也。関係者によれば、女性との間で示談が成立しており、原宿署も勾留の必要がなくなったと判断したようだ。

 午後1時50分、同署の正面玄関に姿を見せた裕也はサングラス姿。14日の送検時には普通の眼鏡をかけていたが、黒いジャケットに杖(つえ)という、おなじみの格好で現れた。

 報道陣の前に歩み寄って軽く一礼。「えー、この国がこんな時にプライベートでお騒がせして本当に申し訳ない。数日中に必ず記者会見をやりますので、その時はちゃんと説明します。よろしくロックンロール」と、原発事故もあって復興ままならない東日本大震災を意識しながら謝罪した。

 原宿署を後にし、その足で東京都渋谷区にある妻で女優の樹木希林(68)宅を訪れた。夫の逮捕を受けた13日の会見で「生き方を変えるなり、区切りをつけるなりしなくちゃいけない」と突き放した樹木だったが、あいにく仕事で不在。裕也は勝手口の前で約5秒間、無言で神妙に手を合わせた。その後は担当弁護士との打ち合わせを済ませ、勾留生活の疲れをとるべく体を休めたという。

 裕也は交際していた女性から別れ話をもちかけられたことから、4月2日に都内の女性宅に「会社に連絡した。内容は、暴力団と交際している。アブリ(覚せい剤の吸引)をやっている。まだ実名は言ってない。よく考えて一週間以内にTELを!今ならまだ間に合う」などと書いた手紙を投函(とうかん)。同19日には女性宅の鍵を業者に依頼して無断で取り換え、室内に侵入した疑いで5月12日に逮捕された。

 ▼大澤孝征弁護士 この事件はせいぜい罰金刑、公判請求はないとみていた。言ってみれば、男女間のもつれ。強要未遂と住居侵入の疑いと言っても、もともと内田容疑者が相手女性の家に出入りし、合鍵まで持っていた関係の深さもあった。20日ほどの勾留は、あえて身柄を拘束することで「法の重みが分かっただろう」と、おきゅうを据える意味合いがあったのでは。ましてや当事者間で示談が成立しているのであれば、起訴猶予処分もうなずける。

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