日本を元気に!今年もやりますコヤソニ

[ 2011年4月10日 06:00 ]

今年1月にコヤソニ募金を大阪府福祉基金に寄付し、感謝状を受け取った小籔千豊(中)

 吉本新喜劇座長の小籔千豊(37)が5月21、22日に、大阪・舞洲特設会場で音楽と笑いが融合した野外フェス「KOYABU SONIC2011」を開催する。昨年は会場で募金を募り、全額を大阪府に届けたが、今年は東日本大震災への募金箱も設置。「継続的な支援が必要。微力ですが来年以降も続けていきます」と復興の一助となることを願っている。

 「大阪を元気に」をモットーに活動している小籔は2008年、コヤソニを初めて開催した。そして昨年は、会場となったインテックス大阪に募金箱を設置。集まった38万4631円を今年1月「大阪府福祉基金」に寄付した。自ら府庁を訪れて「福祉に役立てていただければ」と手渡した。だが、決して「大阪さえ良ければそれでいい」という考えからではない。

 「“何で大阪やねん。だったらオレも自分の地元を元気にしたる”って思ってくれる人がいてくれたらいいんですよ。みんなが地元を愛して、それが大きくなれば日本が良くなると思うんです」

 “コヤソニ募金”は今年も継続する。東日本大震災復興のための募金箱も設置。協力を呼びかけるといい、来年以降も継続させる。そこには「震災をずっと忘れないように」という思いもある。

 「今は募金するところがたくさんあって、多くの人が寄付してる。でも今後10年、20年とお金は必要。特に親を亡くされたお子さんとかが将来、学校に行けないとかが、ないようにしてほしい」

 1男1女、2人の子を持つ親として東日本大震災の悲惨さを痛感した。「僕らが月並みな言葉をどれだけ並べようと、被災された方々のつらさを100%理解できないのが申し訳ない」と前置きした上で続ける。

 「小1の娘が、地震の後で外に行こうと誘ったら“地震や津波が怖いから行かない”って言ったんです。大阪ですら、こうなんやから被災地の方の恐怖は計り知れない。娘が緊急用のリュックを7つも用意してたんで、1つにせえよって言いましたけど。でも、そういった人の、心のケアも大切だと思います」

 お笑いや歌が即、心のケアにつながるとは考えていないが、コヤソニ募金も含め今後もできることはしていくつもりだ。

 「被災地や避難所で新喜劇とかをやって、喜んでいただけるなら、ぜひ行きたい。ほかにもいろいろ考えていきます」

 コヤソニに関しては自粛という選択肢もあったが開催を決定。日本を1つのサッカーチームに例えて理由を説明する。

 「FWがケガをしたときに“大丈夫か”って心配しているだけだったらダメだと思うんです。その分、DFとか、ほかのポジションの人が、いつも以上に頑張らないと」

 連日の震災報道で、政治に対する考え方が変わった人も多いのではと感じている。昨夏の参院選では、開票速報番組のコメンテーターを務めるなど政治への関心も高いだけに、きょう10日投開票の「統一地方選」への参加も呼びかける。

 「震災で政治の大切さがあらためて分かったと思う。だからこそ、投票に行ってほしいんです」

 自分にできることをする。まずは地元から。それがきっと「日本を元気に」へと、つながっていくと信じている。

 ◆小籔 千豊(こやぶ・かずとよ)1973年(昭48)9月11日、大阪市出身。93年大阪NSC入学。コンビ「ビリジアン」での活動を経て、01年11月に吉本新喜劇に入団。06年2月に座長に就任する。ABCテレビ「ほっとけ!3人組」や毎日テレビ「ちちんぷいぷい」などに出演中。

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2011年4月10日のニュース