がんばっぺ福島!西田敏行、中畑清氏ら味スタで炊き出し

[ 2011年3月28日 06:00 ]

「がんばっぺ!!ふるさと」の寄せ書きを手に被災者にエールを送る西田敏行(前列左から2人目)ら参加者

 プロ野球評論家の中畑清氏(57)、俳優の西田敏行(63)ら福島県に縁のある著名人が27日、東日本大震災の被災者が避難している「味の素スタジアム」(東京都調布市)で炊き出しを行った。多くは福島第1原発事故を受けて避難してきた同県いわき市や双葉郡の人たち。中畑氏は「被災者と直接触れ合うことが大切。言葉のキャッチボールは人を勇気づける」と意義を強調した。

 「がんばっぺ、古里!頑張るぞ日本」

 味スタでは65世帯、176人が避難生活を送っている。屋外テントに設置された炊き出し場には、クリームシチューをほおばる人たちに中畑氏や、西田らが声を掛けるとあちこちで笑みがこぼれた。

 西田は「みんな古里にとどまって復興に向けてアクションしたい時期だと思います。笑顔でいてくれますけど、内心は本当に切ないと思います」と目を潤ませた。青春時代をいわき市で過ごしたという女優・秋吉久美子(56)は「皆さんおつらいはずなのに“みんなが優しくてうれしい”とおっしゃる。できることをしていかなければ…」と語った。

 炊き出しのきっかけは、地震発生翌日の12日に西田が中畑氏にかけた1本の電話。「何かやらなきゃいけねんでないか?」。中畑氏が知人らに声を掛け、賛同者の輪が一気に広がった。

 シチュー以外にも、豚丼やサラダなども振る舞われ、用意した約300食はあっという間に避難者の胃袋へ。父の梅宮辰夫(73)とかけつけたタレントの梅宮アンナ(38)からはロールケーキが差し入れられた。

 津波で自宅が流された双葉町の山形千春さん(47)は「おなかいっぱい食べました。テレビでしか見たことのない有名人の方が多く来てくれて…。アンナちゃんとは抱き合っちゃった」とうれしそう。いわき市の渡辺裕一さん(36)、めぐみさん(37)夫妻は「味はよかった」としながらも「いわき市の情報が少なくて…」と声を落とした。

 中畑氏は29日に実家のある矢吹町、30日には郡山市入りしさらに多くの被災者、避難者を勇気づける予定。震災発生から半月が経過しても、物資が届かない地域があり、「行政の枠とか取っ払って、やれる人間がやる。今はそういう(リーダーシップのある)トップがいない」と話した。

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