98歳新藤監督 世界10大映画祭史上最高齢受賞

[ 2010年11月1日 06:00 ]

東京サクラグランプリを受賞した映画「僕の心の奥の文法」の女優のオルリ・ジルベルシャッツ、らと並び、手を振る新藤兼人監督

 第23回東京国際映画祭が31日、閉幕し、コンペティション部門に出品された新藤兼人監督(98)の「一枚のハガキ」が第2席にあたる審査員特別賞を受賞した。98歳での受賞は国際映画祭史上最高齢。閉幕セレモニーには、映画祭大使を務めた女優の木村佳乃(34)が登場。23日に「少年隊」の東山紀之(44)と結婚したばかりで、幸せいっぱいの笑みを浮かべた。

 映画祭の主役は、日本最高齢の映画監督だった。孫娘の風(かぜ)さん(33)に支えられながら、車椅子で登壇し「転んでも泣かないで映画をつくってきました。この私の映画を特別賞に選んでくれてありがとうございました」と元気にあいさつした。
 98歳での受賞はカンヌ、ベネチア、ベルリンを含む世界10大映画祭史上最高齢。米アカデミー賞では、04年にクリント・イーストウッド監督(80)が74歳で作品賞と監督賞を受賞しているが、これを大きく上回る金字塔を打ち立てた。
 受賞作の「一枚のハガキ」は、32歳の時に召集された監督の実体験を基にした作品。豊川悦司(48)が演じる主人公は監督自身がモデルだ。
 反戦を題材に撮り続けて49作目で、かねてこの作品を最後に引退を宣言。糖尿病を患い、緑内障で右目が見えにくい状態の中で完成させたこん身の1本に「98歳になりましたし、もう作品をつくるのは無理。この辺りでお別れすることにします」と惜別の辞。賞金の2万ドル(約161万円)は妻の故乙羽信子さん(享年70)の墓参りに使いたいと話した。
 審査委員長のニール・ジョーダン監督(60)は「16歳のころ、(故郷の)ダブリンで監督の作品を見て感動を与えられたことを思い出しました」と賛辞を贈った。
 27日の上映では新藤組常連の六平直政(56)が「100歳で50本目を撮ってもらいたい」と話し、受賞を機に周囲の次回作の期待は膨らむばかり。受賞者の会見で世界最高齢のマノエル・デ・オリヴェイラ監督(101)の話題が上ると、新藤監督は強いまなざしで「これが最後だと思っていたんですけど、応援してくれる方がいたらまたやってもいいなと思う」と50作品目に意欲を見せていた。

 ◆新藤 兼人(しんどう・かねと)本名新藤兼登。1912年(明45)4月22日、広島県出身。故溝口健二監督に師事し、51年「愛妻物語」で監督デビュー。モスクワ国際映画祭で「裸の島」(60年)、「生きたい」(99年)などで最高賞を受け、03年に特別功労賞を受賞。02年文化勲章受章。女優の乙羽信子さんと78年に結婚、94年に死別。

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