大抜てき!「レミゼ」ヒロインの父は“あの人”

[ 2010年10月23日 06:00 ]

「レ・ミゼラブル」のコゼット役に抜てきされた稲田みづ紀(右)と父の岸田敏志

 「きみの朝」のヒットで知られる歌手・岸田敏志(57)の長女・稲田みづ紀(29)が来春、帝劇開場100周年記念で上演されるミュージカル「レ・ミゼラブル」のヒロイン、コゼット役に大抜てきされた。ミュージカル女優6年目にして初の大役。ミュージカル「ミス・サイゴン」などに出演経験がある岸田はさっそく歌唱指導に乗り出し、娘の成長に目を細めている。

 稲田は「やっとたどりつけた。これでスタートラインに立てました。ソロで歌えるなんて本当に幸せ」と喜びを語った。
 父親の影響で音楽、舞台の仕事を志し、06年1月に「屋根の上のヴァイオリン弾き」のコーラス隊でミュージカルデビュー。アンサンブルの一員を務めながら、プリンシパル(名前のある役)のオーディションを受け続けた。
 「レ・ミゼラブル」には07、09年とアンサンブルで出演。ステージ後方から、スポットライトを浴びて独唱するヒロインの背中を見てきた。当初はコゼットより年齢が高めのエポニーヌ役でオーディションを受けたが落選。別の作品に出演中の3月、「レミゼ」の演出家で世界的に有名なジョン・ケアード氏(62)からコゼット役を勧められた。オーディションでは美声と、逆境の中でも強く生きるコゼットのようなひたむきさが評価され、大役を勝ち取った。
 それ以来、家での話題は「レミゼ」で持ちきり。稲田が自室で歌のレッスンをしていると、いつの間にか岸田がやって来て歌唱指導。ミュージカル界の先輩の意見として、素直に聞いている。
 娘の姿を見守ってきた岸田は「最近は音程もしっかりしてきた。合格してほしいと願っていただけに本当にうれしい。うるさがられるほど劇場に通います」と初日が待ちきれない様子。稲田は「今はレミゼで頭がいっぱい。でもいつかは父とミュージカルで共演したい。恋人役以外で」と笑った。

 ◆稲田 みづ紀(いなだ・みづき)1981年(昭56)10月21日、東京都生まれの29歳。中高時代は新体操部。中学3年からボイストレーニングを始める。音域はAからhighC。05年にNHK金曜時代劇「慶次郎縁側日記2」で女優デビュー。以後ミュージカル「ファントム」「キャンディード」などに出演。身長1メートル56。

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2010年10月23日のニュース