寺尾聰「やっと天国で仲間と…」北林さんをしのぶ

[ 2010年5月8日 06:00 ]

日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞し笑顔の寺尾聰

 女優の北林谷栄さん(享年98)の訃報から一夜明けた7日、02年の映画「阿弥陀堂だより」で共演した寺尾聰(62)が都内で北林さんをしのんだ。

 映画「さまよう刃」で第19回日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞し、都内で授賞式に出席。「僕の生まれる前から父の戦友で大女優。心からご冥福をお祈り申し上げます」と話した。
 北林さんと寺尾の父、故宇野重吉さんは1950年に劇団民藝を設立した同志。寺尾は幼少の頃から、北林さん、長男の河原朝生さんと家族ぐるみの付き合いをしていたといい「朝生のおふくろが亡くなったかあという感じ」。訃報が届いた6日に追悼のコメントを発表しなかったことについては「残念と言うより、やっと上(天国)で仲間と会って、芝居をしているのかなあという気持ちだった」と説明した。
 「阿弥陀堂…」の撮影現場では「マイペースでわがままばかり言っていた。“服を着替えたくない”と言うから、脱がせて着させたり、(カメラの前まで)おんぶして連れて行ったことも。だけど現場に朝生も呼ぶことができて楽しかった」と笑みを浮かべながら述懐。「“あんたはまじめじゃないけど、まっすぐ芝居をしてほしい”と教えられた。それができているのであればうれしい」と目を細めた。

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2010年5月8日のニュース