六代目円楽襲名パーティーに歌丸&談志が来た

[ 2010年3月3日 06:00 ]

楽太郎改め六代目三遊亭円楽(左)の襲名披露会見であいさつする桂歌丸

 日本テレビ「笑点」などで活躍する落語家の三遊亭楽太郎(60)が、昨年10月に死去した三遊亭円楽さん(享年76)の跡を継いで六代目円楽を襲名し、東京・内幸町の帝国ホテルで2日夜、襲名披露パーティーを開いた。五代目円楽一門としては1978年の落語協会分裂騒動以来の寄席定席での披露興行も実現する。新円楽は「師匠の教えを胸に、時代に仕掛けていく落語家になりたい」と涙ながらに決意。落語芸術協会会長の桂歌丸(73)も入院中の病院から外出許可を取って駆け付けた。

 4時間に及んだ披露宴。先代の魂を継承するため名付けられた「五代目円楽一門会」の37人が壇上に並んだ。一番弟子、三遊亭鳳楽(63)の手には五代目の写真。中央で六代目円楽は泣きながら「僕の横にはずっと先代がいます。落語界のために頑張っていきます」と言葉を詰まらせながらあいさつ。先代の長男、吉河寛家さんも新円楽の旅立ちを見届けた。
 爆笑の連続だった。江戸消防記念会の頭衆12人による「木遣(や)り」の先導で円楽が入場すると、約750人が見守る場内からは「六代目!」の掛け声。糖尿病の悪化で最近まで都内の病院に入院していた立川流家元の立川談志(74)も出席。肺炎で2月24日から神奈川県内の病院に入院中の歌丸は「きょう一番うれしいのは談志師匠が生きていたこと。ついでに六代目さん、おめでとう」と主役をからかった。
 続く落語協会会長の鈴々舎馬風(70)は「きょう一番うれしいのは歌丸師匠が生きていたこと」とやり返し、緊張の表情だった円楽は思わず吹き出した。とはいえ、体調不良の中で駆けつけてくれた先輩たちの心意気に円楽は感謝しきり。「談志師匠は“楽太なら行ってやるか”と引き受けてくださった。頼まれた仕事にも行かないことがあるのに…」と再び涙を浮かべた。
 宴に先立つ会見でも司会を務めた兄弟子、三遊亭好楽(63)が「本日は桂歌丸復帰会見にお越しくださいましてありがとうございます」と冒頭からジョーク。本来なら先代と並んで襲名する予定だった円楽は「襲名披露口上に師匠がいないのが残念。2代にわたっていい噺(はなし)家だったと言われるのが僕の死ぬまでの目標」としつつ、「でも歌丸師匠を“歌さん”と呼べるようになったのはうれしい」と語った。襲名披露興行は3日、高知県からスタート。「名前を大きくはできませんが、守っていきます」と天国の師匠に誓った。

 ◆三遊亭 円楽(さんゆうてい・えんらく)本名会泰通(あい・やすみち)。1950年(昭25)2月8日、東京都生まれの60歳。青学大在学中の70年4月、五代目円楽に入門。77年に日本テレビ「笑点」の大喜利メンバーに。81年3月、真打ち昇進。08年に女子大生が選ぶ「イケメンらくご家グランプリ」を受賞。「楽太郎と法人税を語る」(税務研究会出版局)など行政に関する著書も多い。血液型A。

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