映画評論の最長老 双葉十三郎さん99歳で死去

[ 2010年1月15日 12:52 ]

双葉十三郎さん

 映画評論家の最長老で、洋画雑誌「スクリーン」連載の映画評「ぼくの採点表」で親しまれた双葉十三郎(ふたば・じゅうざぶろう、本名小川一彦=おがわ・かずひこ)さんが昨年12月12日午前8時58分、心不全のため東京都八王子市の病院で死去していたことが15日分かった。99歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は長男小川光彦(おがわ・てるひこ)氏。

 1934年東大卒。幅広いジャンルの映画批評を手掛け、52年から始めた「ぼくの採点表」は、ユーモアを交えた的確な批評と、分かりやすい採点で、洋画を見る際の指標にする愛読者が多かった。
 映画をとことん愛する姿勢は淀川長治さんと双へき。読み物として楽しめる映画評を確立した功績も大きかった。
 「西洋シネマ大系―ぼくの採点表」「映画の学校」「アメリカ映画史」など著書は多数。ハードボイルド小説にも精通し、訳書にレイモンド・チャンドラー「大いなる眠り」などがある。
 85年に勲四等瑞宝章、2001年に菊池寛賞を受けた。

 ▼映画評論家品田雄吉さんの話 戦前からずっと、出版社に属さず自由な立場で活動され、後輩の私をずっとかわいがってくれた。日本映画、外国映画すべてを網羅し、文章は分かりやすくて作品の核心を突いていた。双葉さんのようになりたいと思っていた。数年前まで試写室にも欠かさず来ていて、DVDも見ていたようです。生涯現役を貫いた映画評論家でした。

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