清志郎さん“未発表10曲”見つかる!3月発売へ

[ 2010年1月14日 06:00 ]

89年にロサンゼルスのスタジオでレコーディングした時の忌野清志郎さん

 昨年5月にがん性リンパ管症のため死去したロック歌手忌野清志郎さん(享年58)の未発表音源が、かつての東芝EMI(現EMIミュージックジャパン)の静岡県御殿場工場の倉庫から見つかった。

 89年に米ロサンゼルスで録音したアナログテープ計12本で、生前に清志郎さん本人も捜していた“幻の音源”。新アルバム「Baby♯1」として、デビュー記念日の3月5日にEMIから発売される。
 見つかったのは昨年9月。清志郎さんの事務所「ベイビィズ」の相澤自由里代表からの依頼でEMIスタッフが関係各所を捜し、東芝EMI時代の製造部門があった御殿場工場の倉庫でアナログ24チャンネルのマルチテープ12本を発見した。
 89年2月と3月に米ロサンゼルスの名門スタジオ2カ所でレコーディングしたもの。録音に立ち会った相澤代表によると、88年末に元「サディスティック・ミカ・バンド」のベーシストで音楽プロデューサーの小原礼(58)と意気投合し、一緒に渡米。モーテルに泊まり込んで現地のミュージシャンと制作した。
 収録されていたのは全10曲。新アルバムの表題曲「Baby♯1」(ベイビーナンバーワン)は、ライブでのみ歌われたためファンの間で“幻”とされていた作品。録音直前に誕生した長男・竜兵(たっぺい)さんへの思いを普遍的なラブソングへ昇華させた名曲だ。
 そのほか「ONSHA」「メルトダウン」などの社会派メッセージソングから「Young Blue」など力強いシャウト系の歌まで多彩な内容。清志郎さんは帰国後すぐにRCサクセションとソロの両方の活動に入り、小原もミカバンドを再結成したため、発売のタイミングを逃したままお蔵入りしていた。6年ほど前から清志郎さんがEMIに依頼していたが、なかなかテープが見つからなかったという。
 録音当時、清志郎さんは反核・反戦をテーマにしたアルバム「COVERS」が発売中止になり、ゲリラバンド「ザ・タイマーズ」の活動を始め、翌90年末にRCが活動休止に入るなど最大の転換期にあった。
 相澤代表は「新鮮な歌とサウンドに驚くとともに、アナログテープ特有の歌の吐息が感じられる」と生々しくよみがえった歌声に感動している。発売はデビュー40周年の3月5日。「Baby♯1」誕生のきっかけである竜兵さん立ち会いのもと現在、制作の最終作業に入っている。

 <2月には40周年記念DVD発売>清志郎さんのデビュー40周年を記念した2枚組DVD「忌野清志郎 LIVE at SPACE SHOWER TV」が2月10日に発売される。スペースシャワーTVが20年前の開局以来撮りだめてきたライブ映像の中から、95年12月日本武道館での「スローバラード」など40曲を厳選した。

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2010年1月14日のニュース