押尾容疑者 別の女性も目の前で意識不明に

[ 2009年12月10日 06:00 ]

送検のため湾岸署を出る押尾容疑者

 一緒にマンションの部屋にいて死亡した女性に合成麻薬MDMAを渡したなどとして7日に逮捕された元俳優の押尾学容疑者(31)について、警視庁捜査1課は9日、麻薬取締法違反(譲渡)の疑いで送検した。押尾容疑者は、死亡した飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=以外の女性にも薬物譲渡をうかがわせるメールを送っていたことが判明。ある女性は譲渡後に使用し一時意識を失ったといい、捜査関係者は大きな関心を寄せている。

 押尾容疑者が田中さんに送った「来たらすぐいる?」というメール。MDMAを使用したとして麻薬取締法違反罪に問われた10月23日の初公判(東京地裁)では「“僕自身をいるか”という(性的な)意味」と主張していた。一方で、別の女性にも、譲渡をうかがわせるメールを送信していたという。
 フジテレビは数人の女性に「気持ち良くなるから」とMDMAを勧めていたと報じた。田中さんが死亡した事件の数日前だという。TBSは、押尾容疑者にMDMAを渡されて飲んだ女性が押尾容疑者の目の前で一時意識を失っていたと伝えた。
 押尾容疑者は田中さんの容体が急変したのに、3時間後に知人が119番通報していたことから、警視庁捜査1課は救命措置としての行動が適切だったかどうか、保護責任者遺棄容疑での立件に向けて調べを続けている。
 譲渡をうかがわせるメールを送っていたとの情報について元東京地検公安部長の若狭勝弁護士は「今回の譲渡の逮捕容疑を裏付ける材料にもなり、田中さんの容体を悪化させた原因をつくったとして保護責任者遺棄での立件へはずみがつく内容」と分析。別の女性が一時意識不明になったことは「MDMAが危険なものとの認識があったとし、田中さんを保護すべき義務が押尾容疑者にあったと色濃くする証拠にもなるが、この女性が回復していることで、“今回もそうだと思った”と弁解する要素にもなりえる」とみている。

 ≪3容疑者の拘置期間は10日間≫押尾容疑者を乗せたワンボックス車は東京湾岸署から午前8時40分ごろ、東京地検に向けて出発。その際、押尾容疑者は後部座席で伏し目がちで、力のない表情だった。午後5時40分ごろには同署へ戻った。
 一方、押尾容疑者にMDMAを渡したとして同法違反容疑で、知人の衣料品販売業泉田勇介容疑者(31)と、田中さんの携帯電話を捨てたなどとして証拠隠滅容疑で元マネジャーの無職遠藤亮平容疑者(28)も送検。東京地裁は3容疑者の拘置期間は18日までの10日間と決定した。

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2009年12月10日のニュース