「すぐいる?」押尾被告“誘惑メール”明らかに…

[ 2009年10月24日 06:00 ]

報道陣が殺到する中、東京地裁に入る押尾学被告を乗せた車両

 麻薬取締法違反罪に問われた押尾学被告(31)の初公判が23日、東京地裁で開かれた。裁判では、8月2日、東京・六本木ヒルズのマンションで一緒に合成麻薬MDMAを服用し死亡した田中香織さん(30)に事件直前、携帯電話で「(マンションに)来たらすぐいる?」と意味深なメールを送信していたことが判明。「(田中さんから)もらった」と供述している押尾被告が自ら薬物を入手し所持していた疑いも残った。検察側は懲役1年6月を求刑し結審。判決は11月2日。

 押尾被告が田中さんに送った「来たらすぐいる?」というメールに、田中さんは「いる」と返信。押尾被告はこのメールの意味について「“僕自身を要るか”という意味で“薬が要るか”と聞いたわけではありません」と、薬物使用を前提としたやりとりではないと言い切った。

 検察からの「それ(僕自身)は陰茎のことか?」というあからさまな質問にも、消え入るような声で「はい」。さらに「セックスは“いる”ではなく“する”とか“やる”では」と追及されたが「意味は一緒」と語気を強め、薬物を準備したのは田中さんだったと主張した。一方で、過去のメールにセックスを「いる」と表現した内容がないことを指摘され言葉に詰まる場面も。間髪を入れず検察から「こういうやりとりをして、女性が部屋に来たらすぐにMDMAを服用したんですね」と問われると、思わず「はい」と認めてしまい、「いる」が薬物を指していた疑惑も残した。

 押尾被告は約2年前と今年3月、7月にも渡米先でMDMAを使用。7月は映像制作のため米ラスベガスに滞在し、訪れたクラブで酒と一緒に飲んだとした。押尾被告はこの滞在中に、友人のマイケルからクリスという男性を紹介され「Eを持っている」というメールを受け取っている。EはMDMAの別称エクスタシーを意味する。ほかにジョンという男性にも「Eが大好きでファックしたいだけの女はいないか」と、性行為の際に薬物を併用していたことを示唆するメールを送っていた。押尾被告は「誰かが僕の代わりにメールを打った」などと釈明した。

 検察は、押尾被告がラスベガスから国内に持ち込ませたプラスチックの容器に薬物が入っていた可能性があるとみている。関係者によると、この容器は押尾被告があえて自分では持ち帰らず、同地に陣中見舞いに訪れたマネジャーに「サプリメント」と説明し、帰国後すぐに入手している。

 検察側は「常習性は明らかで再犯の恐れもある」と懲役1年6月を求刑。押尾被告は起訴内容を認めており、弁護側は刑の執行猶予を求めた。判決は11月2日。

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2009年10月24日のニュース