心に響く民謡…女性4人組が「雨ニモマケズ」

[ 2009年5月16日 06:00 ]

「Green2(グリーングリーン)」の(下から)堀部智寿、扇谷知里、工藤由紀枝、三浦麻衣

 宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を民謡で歌うグループがいる。女性4人組の「Green2(グリーングリーン)」。4月24日放送のNHK「金曜バラエティー」で歌って以降、CD発売元の日本クラウンに「あのグループは誰?」と問い合わせが相次いでいる。

 「雨ニモ…」をシングル化して発売した先月8日には、岩手県花巻市の「賢治の生家から未発表の草稿を発見」の報道もあった。メンバーの三浦麻衣(26)は「あまりにも偶然で驚きました」と笑顔で話した。
 グリーングリーンは05年5月にデビュー。それぞれが民謡の全国大会で優勝した経歴を持つ実力派。歌手の成世昌平(57)を師匠に持ち、黄桜「辛口一献」のCMでアアア~…と和音を披露して話題になった。
 「雨ニモ…」は、もとはシンガー・ソングライターの宇佐元恭一(49)がメロディーを付けて06年9月にCD発売していたが、グリーングリーンはこれをレッスンの課題曲としてハーモニーを付けて歌っていた。コンサートでも披露し、反響が良かったことからCD化を決めた。
 先月24日にはNHK「金曜バラエティー」に出演。生で披露すると、所属の日本クラウンには「インターネットですぐにCDを買いました」(北海道在住、71歳女性)というメッセージをはじめ「あらためて詩の良さを実感した」(京都府在住、30歳男性)や「作者(宮沢賢治)に無許可で歌っていいのか」(福井県在住、63歳男性)などさまざまな感想、意見が寄せられた。
 オープンスペースでの歌唱イベントでも「雨ニモ…」を歌う際には多くの人が立ち止まり耳を傾ける。メンバーの工藤由紀枝(33)は「小学校の時に朗読したけど、当時は意味が分からなかった。でもこうして大人になってあらためて詩に触れると新鮮」と感想。100年に1度と言われる大不況期にこの詩のメッセージが見直されており、作曲の宇佐元は「宮沢賢治は当時から今を見て詩を書いていたはず。だから心に響くのだと思います」と話している。

 ◆Green2 扇谷知里(34)工藤由紀枝、三浦麻衣、堀辺智寿(21)の4人組。師匠の成世の勧めで04年にユニットを結成。05年5月にシングル「ナミダグサ」でデビュー。今作は3作目。関西を中心に活動中。堀辺は成世の長女。

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2009年5月16日のニュース