歌舞伎座建て替え…さよならロングラン公演

[ 2008年10月21日 06:00 ]

建て替えが決まった東京・銀座の「歌舞伎座」

 老朽化のため建て替えが決まった「歌舞伎座」(東京都中央区)が、2010年4月末で一時閉館される。松竹が20日、発表した。10年5月から建て替え作業に入り、13年に再開場の見込み。来年1月からは1年4カ月にわたり、豪華演目をそろえた「歌舞伎座さよなら公演」が組まれる。

 歌舞伎座は1889年(明22)11月21日に開場。関東大震災による半壊、東京大空襲による消失に見舞われ、その都度改築。現在の建物は1951年(昭26)1月3日に新築として開館した。歌舞伎俳優からは「音響が素晴らしい」など高い評価を得ている。ただ、戦後間もない物資が不足していた時代に建てられたため、土台などの老朽化は否めず、近年は耐震強度、バリアフリーへの対応の遅れが問題になっていた。
 国の文化財にも指定されているが、解体される。工期は約3年の予定。ビル化される計画もある。現在、正面入り口にある、独特の屋根などが残るかは未定。詳細は来年1月中旬に公表するとしている。
 松竹は来年1月3日から10年4月まで16カ月にわたり「歌舞伎座さよなら公演」と銘打って歌舞伎興行。「助六」「暫(しばらく)」「勧進帳」などの歌舞伎十八番のほか、「仮名手本忠臣蔵」「白浪五人男」など人気演目がそろいそうで、詳細は近く発表される。11月以降は劇場ロビーやホームページで、観客からも役者や演目のアンケートを募る。
 さよなら公演の幕開けを記念し、1月2日には幹部、名代役者ら約250人が紋付き袴(はかま)で舞台に並び「特別顔寄せ」を行う。一般には公開されないが、超豪華な顔寄せで、さよなら公演への決意を表明する。松竹の安孫子正専務は「新しい歌舞伎座につなげるため、最後にふさわしい興行にしたい」とし「歴史ある建物なので、休演日などにバックステージツアーなども行いたい」とも話している。
 工期中の歌舞伎興行は、歌舞伎座に近い新橋演舞場をメーンに都内の劇場で行う予定。

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2008年10月21日のニュース