東大寺で高麗屋!幸四郎弁慶1000回達成

[ 2008年10月15日 23:08 ]

 歌舞伎俳優の松本幸四郎(66)が15日、奈良市の東大寺で開かれた「東大寺奉納大歌舞伎」で歌舞伎十八番「勧進帳」に出演、弁慶役の上演通算1000回を達成した。

 「勧進帳」は、兄の源頼朝に追われて奥州に逃れようとする義経、弁慶らの一行が、東大寺復興のために寄付を集める山伏に姿を変え、弁慶の機転で関所を越える物語。

 幸四郎が初めて弁慶を演じたのは、市川染五郎時代の1958年。弁慶役は、1600回以上演じた祖父の七代目幸四郎、そして父の八代目(初代松本白鸚)と、代々の幸四郎が得意としてきた。幸四郎は国内外でミュージカルの舞台でも活躍し、「ラ・マンチャの男」出演は1100回を超えている。

 ハスの花をかたどった紙片をまく儀式「散華」の後、幸四郎は東大寺大仏殿前の特設舞台に登場し、長男の市川染五郎(35)が演じる富樫と緊迫したせめぎ合いを披露。最後に飛び六法で花道を引っ込むと、約5000人の観客が大きな拍手で見送った。

 終演後記者会見した幸四郎は「弁慶1000回を達成できたのは奇跡に近い。あきらめずに捨てずにやってよかった」と話した。

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2008年10月15日のニュース