舞台「三丁目の夕日」で“昭和の心”届ける

[ 2008年10月11日 06:00 ]

明治座公演「三丁目の夕日」の顔寄せで台本読みをする(手前から)篠田三郎、三田佳子、左とん平、音無美紀子

 スポニチが創刊60周年記念事業として主催する舞台「三丁目の夕日」の稽古が10日、都内のスタジオで始まった。西岸良平氏原作の同名漫画の初舞台化。昭和30年代の東京の下町に暮らす一家が主人公で、母親役で主演する三田佳子(67)は「懐かしい“昭和の心”をお届けしたい」と張り切っている。公演は東京・日本橋浜町の明治座で11月3日に開幕する。

 「スポニチさんの60周年、また明治座さんの創業135年記念ということで、ぜいたくな作品になりそうです。1カ月間、いいお芝居を提供しましょう」
 稽古初日のスタジオに、座長・三田のりんとしたあいさつが響いた。夫役の篠田三郎(59)、娘役の国分佐智子(31)と須藤温子(24)、紙芝居屋さんの左とん平(71)ら出演者は拍手。三田は全員の顔を見渡し、成功を確信したように笑顔でうなずいた。
 さっそく脚本を読み合わせた。物語は、フラフープや月光仮面ごっこで遊ぶ子どもたちの元気な姿でスタート。続いて、三田が母親を演じる倉田家を軸に、夕日町三丁目の住民たちの心温まるエピソードがつづられていく。
 紙芝居に電報配達、しちりんで焼く魚…舞台には昭和をイメージさせるセットや小道具が多数登場。脚本をめくるたびに現れる“レトログッズ”に、三田は「便利ではなかったけれど、隣近所との交流があった当時の雰囲気、“昭和の心”をお届けしたい」と話した。
 「三丁目の夕日」は05年と07年に映画版も製作され、いずれも大ヒット。舞台版に期待を寄せるファンも多いが「舞台は、私たちの目の前でお客さまが泣いて笑って共感してくださる。そのパワーをもらいながら演じ、何らかのものをお返ししたい」と、映画とはまた違う感動を約束。「最近は命を絶つ若者も多いですが“生きることは素敵なこと”と感じてもらえるはず」と、社会に向けたメッセージも込めるつもりだ。

 ◆舞台「三丁目の夕日」 主催:スポーツニッポン新聞社/明治座、強力:小学館、公演期間:11月3日(月)~28日(金)、開演時間:昼の部11時30分、夜の部16時30分、観劇料A席1万2000円、B席5000円(税込み)問い合わせ:明治座チケットセンター03(3660)3900

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2008年10月11日のニュース