道頓堀の寺所有地に寄席会館“建築構想”

[ 2008年6月9日 06:00 ]

寄席を開催する定席の建設構想がある法善寺所有の土地

 落語家・桂福団治(67)が会長を務める関西演芸協会が、大阪・道頓堀にある法善寺所有の土地に、寄席の定席をつくる構想を持っていることが8日、分かった。

 3日に破壊された同寺の「水掛け不動」として親しまれている石像の1体が7日に修復。この日開かれた開眼式で、神田真晃住職(54)が「福団治さんからお願いされてます。名前は法善寺文化寄席会館に決めてるんです」と明かしたもの。
 道頓堀かいわいでは、先月いっぱいでB1角座が閉館したばかり。また、道頓堀にほど近い難波のワッハホールは、橋下徹大阪府知事(38)の改革案によって廃止となる見通しで、寄席を開催できる場所が減少している。この状況に危機感を抱いているのが、関西演芸協会であり、法善寺だった。
 式に参加していた福団治は「衰退しつつある上方演芸で、道頓堀には寄席がない。演芸協会として、今は寺側に働きかけている段階です」とコメント。設立場所は、水掛け不動の東側の空き地を希望しているという。
 神田住職は「すでに設計図もいただいております。ただ、お寺の土地なので、貸すとなると収益事業となってしまう。税務の問題など、クリアしなければならないハードルは多い」と、早い段階での実現には否定的。
 それでも「道頓堀から演芸文化がなくなるのはさみしいですから。繁昌亭ではないけれど、何かしら毎日できればと思っております。演芸の灯を消さないように、文化の街を取り戻す第一歩にしたい」と協力を惜しまない姿勢を見せていた。

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2008年6月9日のニュース