新人作品賞は“アウトロー”熊坂監督

[ 2008年2月18日 06:00 ]

第58回ベルリン国際映画祭で、最優秀新人作品賞を受賞した熊坂出監督。右は荒木啓子プロデューサー

 ドイツで開催された第58回ベルリン国際映画祭で16日(日本時間17日)、主要賞が発表され、最優秀新人作品賞に熊坂出監督(32)の「パーク アンド ラブホテル」が選ばれた。日本作品の主要賞受賞は、第52回(02年)に宮崎駿監督(67)の「千と千尋の神隠し」が最高賞の金熊賞を受けて以来。吉永小百合(62)が主演した山田洋次監督(76)の「母べえ」は賞を逃した。

 カンヌ、ベネチアと並ぶ世界3大映画祭の授賞式。着飾った映画関係者を前に、熊坂監督は無造作に束ねた長髪に、ブルゾン、ジーンズの普段着で登壇。主要賞の一角に食い込むとは思わず「こんな格好ですみません」と、恥ずかしそうにあいさつすると、場内大爆笑。それでも最高賞の金熊賞を受けたジョゼ・パジーリャ監督からは「アウトローのようでクールだ」と称えられた。
 共同電によると、熊坂監督は「僕に何らかの可能性があると認めてくださった賞だと思います。またベルリンに戻ってきたい」と日本語であいさつ。トロフィーの代わりに授与された撮影用のビューファインダーを誇らしそうに握った。
 式後の記念パーティーでは、審査員から直々に「映像が美しく、脚本の感覚が新しい」などの選評を聞かされた。中には「黒澤明監督の“生きる”を思い出し、泣いてしまった」という最高級評価の声まであった。
 知人によると、小学校時代から「外で遊ぶよりは絵を描くという芸術家タイプ」。小学校の卒業アルバムに残した「将来の夢」は「ホテル社長」。ジャズにのめり込んだ時期もあり「音楽に意味は求めない。そういう音楽のような映画を作りたい」と話していた。そんな思いを込めて撮った受賞作は、屋上に公園があるラブホテルに集まる4世代の女性の物語。1時間51分の初長編作品で、孤独な女性の自己再生を描き出した。
 最優秀新人作品賞は、06年にスタート。コンペティション、パノラマ、ジェネレーション、フォーラムの4部門の中から、最も優秀な新人監督の長編作品に授与される。「認めてもらったからこそ、自己批判と反省をして次の作品に進みたい。もっといい作品を作ろうという気持ちが強くなった」と熊坂監督。きょう18日に帰国、20日に受賞報告会見を開く。作品は4月末から東京・渋谷で公開後、各地で上映予定。

 ◆熊坂 出(くまさか・いづる)1975年(昭50)3月17日、埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれの32歳。立教大卒。テレビ朝日「TRICK3」のエンディングタイトルやフジテレビ「SMAP×SMAP」の宣伝映像などの制作に携わる。04年に自主製作映画「珈琲とミルク」が、ぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞など3部門を受賞。

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