森光子 でんぐり返し封印でバンザイ

[ 2008年1月9日 06:00 ]

「放浪記」1900回公演を目指してガッツポーズをする森光子

 女優の森光子(87)が8日、主演舞台「放浪記」の上演2000回に向け、東京・有楽町のシアタークリエで抱負を語った。舞台は、前日7日に同劇場で開幕し、この日までで1860回に到達。今回から見せ場の「でんぐり返し」はなくなったが「お客さまは優しく迎えてくださった」とホッとした様子。「きょうも、おもち2個食べてきました」と前人未到の2000回に向け気力、体力ともに十分だ。

 上演開始から2時間半、「でんぐり返し」に代わる演出が披露される時がやってきた。森が演じる林芙美子が雑誌に小説が掲載されて、木賃宿で大喜びする場面。観客600人の視線を集めた森は、でんぐり返しの体勢には入らない。そんな森を宿の住人が取り囲み、万歳三唱が始まった。
 “新演出”に客席は、以前と同じ拍手。森は「お客さまが優しく、温かく迎えてくださった」と安心した表情で話した。
 今回の3カ月公演の製作発表を前に昨秋、製作の東宝から体調を気遣って「でんぐり返し中止」の打診。「1日でも長く公演ができるように、との思いと受け止めます」と封印を決意した。
 名物になった「でんぐり返し」はなくなったが、気力はこれまで以上に乗っている。「新キャスト(高畑淳子)が新風を吹き込んでくれました。体中がドキドキです」と笑顔。
 2月23日には上演1900回、来年中には2000回の期待もかかる。「きょうも、おもち2個食べてきたんですよ」と食欲も十分。最近では新陳代謝を高めるため、1日にミネラルウオーター1リットルを飲むのが日課。正月の箱根駅伝で選手が脱水症状で倒れる姿を見て、水分補給の大切さをあらためて感じたという。
 昨年末は30日まで稽古を行い、31日は東京ドームで行われたジャニーズカウントダウン公演を楽しんだ。ジャニーズのメンバーと一緒に年越しそばを食べ、その足で川崎大師と豊川稲荷(赤坂)へ初詣。疲れが出ないかという周囲の心配をよそに、日に日にパワーがわいているようだ。
 08年の願いは「もっと新鮮な気持ちでぶつかっていける勇気が欲しい」と森。2000回へ向け立ち止まる気配はない。

続きを表示

2008年1月9日のニュース