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京口 5回ダウン後ラッシュも及ばず…初黒星も「やりきった。持てる力を全部出せた」

[ 2022年11月2日 04:45 ]

WBC&WBA世界ライトフライ級王座統一戦   ○WBC王者 寺地拳四朗《7回2分36秒TKO》 WBAスーパー王者 京口紘人● ( 2022年11月1日    さいたまスーパーアリーナ )

7回、京口(右)にKO勝ちし王座を統一した寺地(撮影・島崎忠彦)
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 壮絶な試合に敗れた京口は「やりきった。持てる力を全部出せた」と潔かった。「思った以上に強いジャブで、やはり8度防衛のチャンピオンですし、強さは肌で感じました」と拳四朗の強さを素直に認めた。

 プロ17戦目で初黒星を喫した悔しさは、7年前のアマチュア時代とはひと味違った。「負けが悔しいというよりも、たくさんの支えがあった中で結果を出せなかったことが一番悔しい」。試合前1週間は、海外で防衛に成功した直近2戦と同じ環境を求めて一軒家で合宿を行ってきた。「チームの皆さんに勝った姿を見せたかった」と、日頃から支えてくれたトレーナーやマネジャーらへの思いを口にした。

 5回にダウンを奪われた後、強烈な右ストレートを繰り出すなどラッシュをかける気迫の猛反撃で見せ場はつくった。「ダウン前後の記憶があまりなくて…トレーニングしてきたからこそ出た反撃だと思う」と無我夢中だったという。見る者の心を打つ必死な戦いは、自身を「不器用」と称する京口らしい姿。「子供たちに向けて、やれることをやれば必ず結果は出ると証明したかった」と涙をこらえながら言葉を紡ぎ「現時点で、次、頑張りますとは言えない」とショックは隠さなかった。

 ▼長谷川穂積氏(元世界3階級制覇王者)年間最高試合と言える。寺地選手は絶対的な距離感を持っていて、自分のボクシングを貫ける凄さがあった。

 ▼村田諒太(元世界ミドル級スーパー王者)ボクシングにはドラマがあると思った。(寺地の)3団体統一はほぼ間違いないでしょう。(京口は)意地をちゃんと見せた。寺地の圧勝にならなかった。これが日本人対決のいいところ。

 ◇京口 紘人(きょうぐち・ひろと)1993年(平5)11月27日生まれ、大阪府和泉市出身の28歳。小6からボクシングを始め、大阪帝拳ジムで辰吉丈一郎の指導を受ける。伯太高―大商大。アマ66戦52勝(8KO)14敗。16年4月プロデビュー。17年2月、東洋太平洋ミニマム級王者。同年7月、プロ8戦目でIBF世界同級王者(防衛2)。18年12月、WBA世界ライトフライ級スーパー王座を獲得して2階級制覇達成。1メートル62の右ボクサーファイター。

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