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【浜田剛史氏の視点】主導権握った拳四朗 “攻めるアウトボクシング”展開に幅

[ 2022年11月2日 04:45 ]

WBC&WBA世界ライトフライ級王座統一戦   ○WBC王者 寺地拳四朗《7回2分36秒TKO》 WBAスーパー王者 京口紘人● ( 2022年11月1日    さいたまスーパーアリーナ )

5回、京口(左)にパンチを浴びせる寺地
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 統一戦にふさわしい良い試合だった。勝敗を分けたのはボクシングの幅。拳四朗はアウトボクシングでも、打ち合っても大丈夫だという自信を持って臨み、序盤から自分の距離で“攻めるアウトボクシング”をしていた。ガードの上、内と打ち分けながら京口にダメージを与え、完全に主導権を握った。京口も潜り込んでボディーを狙っていたが、前に出ていけなかった。

 5回にダウンを奪った拳四朗は仕留めにいきながら倒せず、結果として打ち疲れて反撃を許したが、そういう勝負根性は大事だ。6回はアウトボクシングに徹して体力を回復させ、7回に勝負をかけた。KOを狙い、狙い通りに倒したのは力がある証だといえる。

 京口に勝機があったとすれば6回。ダウン後に盛り返した勢いのままいければという状況だったが、ダメージが蓄積し、攻めたくても攻められなかったのかもしれない。

 拳四朗は1度敗戦を経験して一回り大きくなった印象だ。単に試合に勝つだけでなく、“見せ場”をつくれる選手になった。仮にWBO王者ゴンサレスとの統一戦が実現したら、ファンは拳四朗がどう捕まえるか?を期待するのではないか。本人も「また強くなる」と言っていたが、まだまだ強くなる可能性を感じる。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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