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京口V4!連続海外防衛、敵地メキシコで圧倒8回TKO 拳四朗との統一戦へまた一歩前進

[ 2022年6月12日 05:30 ]

WBA世界ライトフライ級王座統一戦12回戦   〇スーパー王者・京口紘人 TKO8回24秒 正規王者エステバン・ベルムデス● ( 2022年6月10日    メキシコ・グアダラハラ )

WBAのベルトとリング誌ベルトを肩に勝利をコールされる京口(撮影・田中哲也通信員)
Photo By スポニチ

 敵地メキシコに乗り込んだスーパー王者の京口紘人が正規王者エステバン・ベルムデスに8回TKO勝ちし、王座統一と4度目の防衛に成功した。6回と7回に減点されたが、8回に連打を浴びせてレフェリーストップ。昨年3月のV3戦(米テキサス州ダラス)以来、約1年3カ月ぶりの試合で2戦連続海外防衛を果たし、WBC王者・寺地拳四朗(BMB)らとの統一戦実現へまた一歩前進した。

 「これがアウェーなのか」。ブーイングを浴びた京口は悔しがった。6回にバッティング、7回には後頭部への打撃でそれぞれ減点1。6回は「それ以上に向こうの頭が当たっていた」、7回も「勢い余って軽く叩いた程度」で「フェアではない」とモヤモヤした。試合はアッパーを中心に圧倒していたが、減点も含めた採点は7回終了時で何と2―1。しかも全て1点差と予断を許さなかった。

 「このあとのラウンドは全部取る」。決意して臨んだ8回、流血で顔が真っ赤のベルムデスを左アッパーの連打でロープ際へ追い込むと、10発以上のめった打ち。さらに10連打を浴びせ、メキシコ選手寄りのレフェリーからストップを引き出した。打撃戦に満足した地元ファンからも拍手が送られ、場内インタビューでは「ビバ、メヒコ!(メキシコ、万歳)」と叫んだ。

 右拳骨折や左腸脛(ちょうけい)じん帯炎などケガに悩まされてブランクをつくった上に、契約する英マッチルーム社の意向で敵地防衛戦。送られてきた航空券はエコノミー席と京口の立場が表れていたが、結果で見返した。都内の施設での低酸素トレ、現地入り後は地元出身のスター、サウル・“カネロ”・アルバレスの兄のジムで最終調整。同期入門のWBO世界ミニマム級王者・谷口将隆もセコンドで指示を出すなど、周囲のサポートは強力だった。「支えてくれた全員とこの勝ちを共有したい」。目は潤んでいた。

 王者としての価値を証明し、他団体王者との統一戦に近づいた。標的はWBC王者・寺地かWBO王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)。寺地戦の期待を伝えられると「今の階級でのゴールと言える試合だが、条件と交渉がまとまるのを待つのみ。長引けばまた海外で試合がしたい」と冷静だった。

 ◇京口 紘人(きょうぐち・ひろと)1993年(平5)11月27日生まれ、大阪府和泉市出身の28歳。小6からボクシングを始め、伯太高―大商大で国体ライトフライ級優勝などアマ66戦52勝(8KO)14敗。16年4月プロデビュー。17年2月、東洋太平洋ミニマム級王者。同年7月、プロ8戦目でIBF世界同級王者(防衛2)。18年12月、WBA世界ライトフライ級スーパー王座獲得で2階級制覇。身長1メートル62、リーチ1メートル63の右ボクサーファイター。

 《日本人防衛戦3勝2敗》メキシコでの日本人世界王者の防衛戦は3勝2敗。過去の防衛成功は西岡利晃、三浦隆司といずれも帝拳ジム所属で、メキシコに本部を置くWBCの王者だった。

 《和毅、尚弥に次いで3人目》京口は2試合続けて海外での防衛戦に勝利。亀田和毅、井上尚弥に次いで3人目。

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2022年6月12日のニュース