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尚弥 日本人初の「PFP」KING ツイッターに喜び「誰もたどりつけなかった場所まで来た」

[ 2022年6月12日 05:30 ]

井上尚弥
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 日本人初のボクシング3団体統一王者、井上尚弥(29=大橋)が世界最強の称号を手にした。米国で最も権威のある専門誌「リング」は10日、全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の最新版を発表。WBA&WBC&IBF統一世界バンタム級王者の井上が前回の3位から日本人初となる1位に輝いた。

 井上が自己最高だった20年10月の2位を超え、初のリング誌PFP1位となった。井上はツイッターに「日本人がこれまで誰もたどりつけなかった場所まで来た」と記し、大橋ジムの大橋秀行会長は「自分が生きている間に日本人の五輪金メダリスト(村田諒太)、世界ミドル級王者(竹原慎二)、そしてPFP1位を見られるとは思っていなかった」とコメントを発表した。

 7日のバンタム級3団体王座統一戦でノニト・ドネア(フィリピン)に衝撃の2回TKO勝ち。5階級制覇の名王者に圧勝して3つのベルトを獲得し、ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、38戦全勝のWBOウエルター級王者テレンス・クロフォード(米国)を抜いて3位から1位へ浮上した。井上とウシクのどちらを1位にするか選定委員の意見は4対4で割れたが、最後に井上に票を投じたダグ・フィッシャー編集長は「井上のパフォーマンスはセンセーショナル。ウシクと甲乙つけがたいが、井上が1位で問題ない」との見解を示した。

 全ての団体・階級の王者の上に立ち、最強の中の最強となった井上の次の目標は4団体王座統一。WBO王者ポール・バトラー(英国)は日本での統一戦を希望しており、年内の実現が濃厚だ。「また一つモチベーションが上がった。次戦、4団体統一に向けて頑張るので期待していてください」。最強の称号を譲るつもりはない。

 ▽パウンド・フォー・パウンド(PFP) 1922年に創刊された米国で最も歴史と権威を持つリング誌の初代編集長ナット・フライシャー氏により、40~60年代にミドル級などで活躍したシュガー・レイ・ロビンソン(米国)を称える造語として50年代初期に誕生。89年からPFPランキングが導入され、過去には80年代後半にヘビー級最強を誇ったマイク・タイソン(米国)らが1位となった。過去にトップ10入りした日本人は井上の他に山中慎介(7位)、内山高志(10位)だけ。

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