【センバツ】花咲徳栄 秘策“満塁エンドラン”ズバリ 内野ゴロの間に二走まで生還で2点もぎ取った

[ 2026年3月22日 05:00 ]

第98回選抜高校野球大会第3日・1回戦   花咲徳栄3-2東洋大姫路 ( 2026年3月21日    甲子園 )

<東洋大姫路・花咲徳栄>8回、遊ゴロの間に二塁から生還し、ナインに迎えられる更科(左)(撮影・松永 柊斗)
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 1回戦3試合が行われた。花咲徳栄(埼玉)は東洋大姫路(兵庫)に3―2で競り勝ち、春は16年ぶりの勝利を挙げた。

 これが高校野球の奥深さだ。8回、押し出し死球で1―1の同点とし、さらに1死満塁。花咲徳栄の2番・鈴木琢磨(3年)のフルカウントで、岩井隆監督が仕掛けた。

 「打者が鈴木で三振はない。走者が足の速い3人で動いて点を取ろうと思った」。3走者は投球動作と同時にスタートした。満塁、フルカウントからの“エンドラン”だった。

 鈴木は「ボール1個分、ゾーンを広く待って強い打球を打とうと思った」。空振りすれば三振併殺となるプレッシャーもかかる中、昨秋の公式戦9試合でわずか2三振だった右打者は、高め直球を叩き遊ゴロとした。一塁走者の岩井虹太郎(3年)は「いいスタートをしないとゲッツーもあるので(投手が)足を上げた瞬間に走ろうと思っていた」。東洋大姫路は通常の内野守備陣形だった。好スタートを決めたおかげで併殺を回避。三塁走者が還り勝ち越した。

 これだけで終わらない。遊撃手が一塁に送球する間に、二塁走者の更科遥陽(3年)も一気に生還した。「(サインは)練習試合でやることがあったので頭に入れていた」。突入させた三塁コーチの上原雅也(3年)も「絶対に回そうと思っていた」と、迷いはなかった。

 逆転劇は、今大会から導入されたDH制の恩恵でもあった。岩井監督は例年は「代走1、守備要員1」の枠でベンチ入りメンバーを考えるが、「DH(で出塁)のところは代走を使おうと思っていたので2人を入れておいた」。山田蒼二郎(3年)と更科をこの回にともに代走で起用した策も当たった。

 23年前、引き分け再試合の末、サヨナラ負けを喫した東洋大姫路に逆転勝ち。8回、1点差に迫られ「嫌な予感もあった」と苦笑いした指揮官だったが、「秘策」のおかげで逃げ切った。(大木 穂高)

 ▽03年選抜の花咲徳栄―東洋大姫路VTR 3月31日の準々決勝は2―2で延長15回引き分け再試合となった。東洋大姫路はグエン・トラン・フォク・アンが191球、花咲徳栄は福本真史が220球の熱投で完投した。翌日に行われた再試合は両投手が救援登板し、延長10回に福本の暴投で東洋大姫路がサヨナラ勝利。東洋大姫路は翌日に広陵(広島)との準決勝に臨み、アンが151球で完投するも1―5で敗れた。

 ▼花咲徳栄・黒川凌大(3年)(9安打2失点完投)自分が粘りの投球をすれば、いつかは流れが来ると思った。よく粘れたと思う。

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