【検証侍ジャパン(1)】消えた「守り勝つ」強み…継投失敗が敗戦直結、大会前に相次いだ救援陣辞退

[ 2026年3月17日 05:30 ]

球場を後にする井端監督(撮影・木村 揚輔)
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 【検証侍ジャパン~届かなかった連覇~(1)】連覇を目指した侍ジャパンの戦いは準々決勝敗退に終わった。最後はベネズエラに力負け。過去最多の8人のメジャーリーガーを招集して挑んだが、6大会目でワーストの8強止まり。“史上最強”とも言われていた侍に何が起こっていたのか。連載の第1回は、最大の敗因となった継投の誤算について検証する。

 日本の強みのはずだった。準々決勝は投手陣が、WBCでのチームワースト記録の8失点。3点リードからの逆転敗戦の衝撃は大きかった。起用した6投手の中で5人は先発が本職。失点したのはそのうちの4投手だった。誤算が重なった最大の不安要素である継投失敗が、敗戦に直結した。

 パドレス・松井、西武・平良、阪神・石井が合流直前の2月に相次いで故障して出場辞退。代替選出候補だったある抑え投手には、出場を固辞された。最終的に14投手のうち救援専門は3人。井端監督は中継ぎ起用を見据え、先発専門でも球の強い投手を招集も結果につながらなかった。

 国際大会では同じケースの失敗例もあった。15年の「プレミア12」は中継ぎ投手を招集せず。準決勝の韓国戦で、3―0の9回に2番手・則本らが打ち込まれて計4失点で逆転負けした。先発だった右腕を抑え起用したことで、当時の小久保監督は大バッシングを浴びた。

 今回、準々決勝の先発だった山本は、ドジャースからの登板プランが届いていた。準々決勝の球数制限は80球だったが、4回69球で降板。2回までに2失点も、3、4回は4奪三振と尻上がりに調子を上げた。それでも井端監督は「60球くらいをめどに最初からプランを立てていた」と降板させざるを得なかった。早期降板は想定内。だが、展開にかかわらず試合前から2番手に指名されていた隅田が、右打者が3人並ぶ5回に登板し1点差とされる2ランを被弾。信頼が高かった伊藤、1次ラウンドで快投を続けた種市の投入前に流れを失った。状況に応じた一戦必勝の柔軟さも欠いた。

 一方で、大会中は起用法を伝えられるのが遅く、投手陣からは不満の声も漏れていたという。準々決勝に至っては当日の練習前で、試合開始まで5時間を切っていた。優勝した23年大会。投手コーチを務めた吉井理人ロッテ前監督は「先発は誰でもできる。中継ぎの方が経験がいる」と難しさを語っていた。先発投手は、ブルペンで肩をつくる回数など救援登板への対応が難しく、伊藤は最後まで本来の直球の威力を欠いた。

 前回大会では走者を背負った場面の切り札としてオリックス・宇田川の存在が光った。強力打線対決だった米国とドミニカ共和国の準決勝は、2―1の“投手戦”。侍の真骨頂である「投手中心の守りの野球」は、大会前からほころんでいた。(WBC取材班)

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