サンフレッチェ広島に履歴書は送らない 「職業病」の野球担当記者が守りたい最後の聖域

[ 2026年3月16日 12:00 ]

サンフレッチェ広島イレブン
Photo By スポニチ

 侍ジャパンのWBCが終戦し、いよいよ繁忙期がやってくる。

 第98回選抜高校野球大会(甲子園)が19日に開幕する。20年にスポニチに入社してからアマチュア野球担当一筋の記者にとっては勝負所である。初戦から決勝まで全31試合を仕事として甲子園球場で見届ける。

 ただ、試合を楽しむ余裕はない。スポーツ新聞業界は1日、1日が勝負だ。どの試合を1番手の記事にするか、原稿のテイストはどうするか…など「勝負」のことで頭はいっぱいだ。

 アマチュア野球の試合を見れば仕事モードに入ってしまうので、仕事が休みの日に観戦や視聴することはない。多分、これからの人生において心からアマチュア野球の試合を楽しめることはないと思う。そういう意味では仕事によって楽しみを1つ失ったことになる。

 業務上必要な場合を除き、プロ野球の試合もほぼ見ない。以前、プロ野球審判の仕事をしていたからだ。観戦、視聴する機会があっても、投球判定に対し「ちょっと低いボールをストライクと言ってしまったな…」やら、外野を越える二塁打に対して「今の審判のフォーメーションはこうなっているのか…」やら無意識に審判目線で見てしまう。打った、投げたに一喜一憂できない。プロ野球も仕事にしたことで楽しむ感覚を失ってしまった。

 好きなことを仕事にするのはよくないのかもしれない、と思ったことがある。だから前職は地方公務員(行政職)に就職した。この仕事では趣味をなくすようなことはなかった。ただ、就業中は時計の針がゆっくりと動き、とても定年まで待つことはできなかった。プロ野球審判も、現在の記者職も気づけば1日が終わっているほど熱中できる。その点においては好きなことを仕事にすることは悪くない。

 1つだけ、絶対になくしたくない楽しみがある。サッカーのサンフレッチェ広島の応援だ。ミハイロ・ペトロヴィッチ(現J1名古屋監督)が指揮を執っていた頃から応援している。ビッグアーチだけでなく、アウェーの鹿島や鳥栖、宮崎キャンプにも行った。いまもダ・ゾーンで試合を見ることだけが憩いの時間。だから、この人生でサンフレッチェ広島だけには履歴書を送らないことを決めている。(記者コラム・柳内 遼平)

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