日本ハムS&Cアドバイザーに就任したボディービル界の“レジェンド”田代氏「やりがいがある」

[ 2026年2月5日 12:00 ]

インタビューに答える田代S&Cアドバイザー(撮影・高橋 茂夫)
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 日本のボディービル界の“レジェンド・オブ・レジェンド”田代誠氏(54)が、10年ぶり日本一を目指す日本ハムのS&C(ストレングス&コンディショニング)アドバイザーに就任。12球団No・1フィジカルを目標に掲げるチームのスタッフとして、沖縄・名護キャンプで手腕を振るうレジェンドに聞いた。

 ――キャンプ最初のクールを終えて。

 「皆さんコンディションをしっかり整えてきたみたいで、例年になく調子がいいんじゃないのかなって思ってますので、ストレングス講師としては良かったなっていうのが一番の感想ですね」

 ー―いい状態でスタートが切れた。

 「球団の取り組みとして何年もやってこられているフィジカル強化の中、コンディションとケガをしないというところも、意識が高くなってきている。選手の皆さんも自覚を持って取り組んでいただいているんじゃないかなと思います」

 ――指導は何年前から?

 「私が短期で(日本ハムに)来始めたのが21年(のシーズンオフ)ですね。新庄監督の就任と同じだったと思います、タイミング的には。就任された直後の秋季キャンプのときです。そこからチームみんなに(フィジカル強化の)意識は行き渡ってきているという感じはありますね」

 ――就任のきっかけは?

 「(世界最大級のフィットネスクラブ)ゴールドジムが運営している会社に所属していて、初めはマシンを球団にご購入いただいたんですが、そのご縁で声をかけていただいた。球団としては基本的にストレングスの強化をしたいということと、ケガを選手にさせたくないということから“ケガをさせないトレーナーは誰だ”ということで、私に白羽の矢が立った、というふうに聞いています」

 ――最初に見たときからチームに変化は?

 「そうですね。元々球団はもちろん、選手たちも考え方がしっかりしていて、スレングス、フィジカルの強化に否定的な方はいなかった。その中で、ちょっとプラスのお手伝いできたかなと思ってますけど、体系的にも筋力的にも、だいぶ向上してきたんじゃないのかなと実感してます」

 ――成果が結果にも表れている?

 「勝ち負けももちろんなんですが、我々の仕事というのは、まず選手がケガをしないこと。目に見える部分では打球速度であったり、球速であったり。元々選手が持っているものよりも上がってきたというところで、結果が出てるんじゃないのかなとは思います」

 ――正式にチームのスタッフになって目指すところは?

 「やはり(指導が)単発だと、その後のフォローができない。選手一人一人が違うので細やかなフォローが必要なんです。今までは(指導の間隔が空くことで)気がつくとちょっと違う形になっていたっていうことも若干ありました。そういうところで、一人一人を細やかに継続して見れるかなと」

 ――継続が大事。

 「そうですね。シーズンの中で体のコンディションは1日1日変わります。それを細やかにフォローしてあげないと、パフォーマンスを最大限に発揮できないと思います」

 ――筋肉量の多さを判定するFFMI(除脂肪量指数)の目標値を、トップアスリートレベルの「24以上」に設定している。

 「FFMI24以上は皆さんクリアしてほしいかな、と思っています。アスリートの中でも24を超えれば、それなりのレベルだと思いますので。この数値が26まで行くと、もうとてつもない。身体的な才能も備える方が26は超えるんですけど、25に行けば凄い。24は行ってほしいなっていう感じですね」

 ――的確に筋力をつければ球速、打球速度はアップする?

 「プロ野球選手は皆さん、技術があるのでウエイトトレーニングの効果が出やすいと思います。元々持ってる技術を最大限に発揮できる筋力をつければ基本的には球速も打球速度も上がります。やっただけの効果を出してくれるので、トレーナーとしてやりがいがある。今は継続して見ていけるから、この選手にはここの筋力とか。こういう動きの中で、ここが足りてる、足りてないとか。本当に人それぞれですね。取り組み方は、一人一人違う感じです」

 ――フィジカル強化はケガ防止にもつながる。

 「1番いいパフォーマンスが出るようになると、出力が出ちゃうので、逆にちゃんとそのケアをするためのトレーニングをしないといけない。(ケアしないと)1年間持たないというか、ケガしてしまうので。トレーニングをずっと見ていれば、今こうだからこうするべきだとか、もうちょっとこうした方がいいとかっていうのを本人と話しながら納得してやっていける」

 ー―ボディービル界で「ミスターパーフェクト」の異名を持つ。

 「多分、雑誌社がつけたんじゃないのかなと思うんですけど(日本選手権)4連覇のちょっと前ですね。(K―1黄金期に「ミスターパーフェクト」と呼ばれた)アーネスト・ホーストより早かったですよ(笑い)。私は体がまんべんなくある程度発達してる。この世界、やはり一つ二つ発達しない部位があるんですね、皆さん。それがたまたまなかったんで、そう言われてただけだと思います」

 ――今、率直に野球界に入ってみて。

 「楽しいですよ、やっぱりね。球団の考え方も凄く好きというか正しいというのと、スタッフ一丸で選手のパフォーマンスを上げようという雰囲気づくりであるとか。フィジカル、ストレングスを教える側としては、凄くやりやすい」

 ―ー見たい光景はありますか?

 「それは優勝なんでしょうけれども、我々の仕事としては選手の皆さんがケガせず、最大限のパフォーマンスを最後まで発揮してくれれば満足かなとは思っています。きっとその先に多分、あるんだろうなと。ただ、今年だけでなく、少なくとも20年ぐらいは動けるように。引退するときもボロボロになって辞めるんじゃなくて、元気で健康に現役を満了していただければ。今年一年良ければじゃなくて、1年でも2年でも長く活躍できる下地をつくってもらいたいなと思ってます」

 ◇田代 誠(たしろ・まこと)1971年(昭46)3月3日生まれ、鹿児島県出身の54歳。柔道をやっていた中学時代にウエートトレーニングに興味を持ち、19歳から本格的にボディービルの道へ。鹿児島県知覧町(現南九州市)の町役場勤務だった27歳の時に全国大会初出場。その後、世界最大級のフィットネスクラブ「ゴールドジム」のトレーナーに転身し、01年から日本ボディビル選手権4連覇。身長1メートル64。

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