【センバツ】初採用のDH制 各校の戦略は?花咲徳栄はツープラトンDH 強打投手擁すれば不使用も

[ 2026年1月30日 16:35 ]

花咲徳栄・岩井監督
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 第98回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)からDH制が初めて採用され、新たな戦略が求められる。出場が決まった各校はDHの起用法がポイントの一つで、それぞれのチームカラーによって特色が出る可能性もある。

 2017年夏の優勝校・花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督は、甲子園に向け妙案を練っている。「高校野球では勝っているチームは選手を代えないことがセオリーだったけれど、これからは勝っていても14人くらいが出場するケースもあるんじゃないかな。野球が変わってくると思いますよ」と話す。思い描くのは「ツープラトンDH」だ。例えば「6番・DH」に打力のある選手を入れ、出塁を果たせば直ちに代走のカードを切り、今度は塁上から俊足の選手がバッテリーにプレッシャーをかける。そして、次に打席が回れば代打を送り、またしても強打者が打席に立つ。そして出塁を果たせば再び代走を出すというもの。打撃特化2人、走塁特化2人をベンチ入りさせることでDH枠を駆使した攻撃力の最大化が可能になる。打って一流、走って一流選手とされる大谷のような選手は少ないからこその「ツープラトンDH」だ。

 昨秋の明治神宮大会を制した九州国際大付(福岡)の楠城祐介監督は、DH制の経験が豊富だ。パナソニックから楽天に入団。2009年のフレッシュオールスターでは代打で安打を放ち、そのままDHとしてプレーしたこともある。「DHは大学からですね。心の持ち方とかは分かっているつもりですけど、勝手に試合が進んでいるように感じる」と、守備に就かない時間に難しさがあると言う。どうすればうまく順応できるのか。具体的な対策の一つとして、イニング間に外野手と控え選手が行うキャッチボールを挙げ「DHが(キャッチボールを)やった方がいいと思いますね」と指摘。DHに求める条件について、選手には「打つだけじゃなく、走塁センスも必要」と伝えている。

 DHを使わないことも作戦になる。「当面は必要ないかな」と明かすのは、昨秋中国大会準優勝の高川学園(山口)・松本祐一郎監督だ。理由は、エースがチーム随一の強打者だから。プロ注目右腕の木下瑛二(2年)は、打者として昨秋公式戦で3番に固定され、チームトップの打率・414を残した。松本監督は「打撃成績も一番。4番に置きたいけど負担もあるだろうし…」と頭を悩ませながらも、中軸の一人として打席に立たせるつもりだ。今春から導入される指名打者制は、NPBと同様に公認野球規則にのっとって運用される。つまり、高校野球でも「大谷ルール」と呼ばれる「投手兼DH」を適用することが可能だ。しかし、松本監督は「DH兼任で先発させた場合、再登板ができない」とのリスクを考慮し、木下を先発登板させる試合ではDHを使わないつもりだ。「投手兼DH」で出場すれば、降板後の再登板は認められない。メジャーや日本のプロ野球では先発投手の再登板は可能性が低いため「大谷ルール」を使用できても、一発勝負の高校野球でそうはいかない。救援が崩れて先発投手が緊急登板することも想定し「DHを使わない」ということが選択肢になってくる。

 ベンチ入り20人の中でどのような個性を持った選手がDHとして起用され、どのように交代枠を使うのか。高川学園のようにあえてDHを使わない選択肢もある。今センバツの見どころの一つとなりそうだ。


DH制Q&A

Q DHで先発出場した選手は1打席立たないといけない?
A 相手先発投手が交代した時は、DHは打席に立つことなく交代することができます。

Q DHの選手は試合途中から守備に就いてもいい?
A 可能です。ただし、DHの選手が守備に就くとDH制は解除され、以降は投手が打順に入ります。DHが左翼を守る時、左翼手の打順に投手が入ります。

Q 野手として出場している選手は途中から投手で出場できる?
A 可能ですが、DH制は解除されます。

Q 「大谷ルール」で出場していた選手が試合途中で負傷交代。2番手投手が「大谷ルール」を引き継ぐことができる?
A できません。「大谷ルール」は先発投手のみ可能です。

Q DH制で「大谷ルール」を適用していない時、登板中の投手が代打、代走で出場することはできる?
A DHへの代打、DHが出塁した時の代走として出場可能です。

▽指名打者(DH) 「Designated Hitter」の略で、大リーグのア・リーグが1973年に初めて採用。日本のプロ野球では75年からパ・リーグが採用し、セ・リーグでも来年から採用される。大学野球では今春から東京六大学野球、関西学生野球でも導入される。指名打者が投手に代わって打撃を行うDH制は試合開始前に使用の有無を決め、先発投手に対し少なくとも1度は打撃を完了する。試合途中からDH制を使うことはできない。先発投手が指名打者として出場する「大谷ルール」は降板後、再登板することはできない。

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