楽天・岸 寡黙な右腕が温めてきた地元・東北への恩返しプラン 背中を押したヤクルト左腕の言葉

[ 2026年1月8日 08:00 ]

楽天・岸
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 昨年末にラジオ番組を聞いていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。声の主はニッポン放送「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」にゲスト出演していた楽天の岸孝之投手(41)。夜の深い時間帯に登場したことに驚いたが、親交の深い人気お笑いコンビ「サンドウィッチマン」がメインパーソナリティーだったからこそ実現したのだろう。

 番組では「東京宮城県人会」の席で岸が伊達みきおに、とある相談を持ちかけたというエピソードが紹介された。「草野球をしたいんです」。ただの草野球じゃない。オフシーズンに東北地方出身の現役プロ野球選手やプロ野球OB、著名人を集めて地元を盛り上げるという、地域特化型のイベントをイメージしているという。

 宮城県出身の岸がひそかに温めてきたプランで「東北の人たちが喜んでくれることを何かできないかなって。地元に恩返しをしたくて」と明かした。アイデアはあるものの、どうすれば実現するのか。まず最初に相談したのが、秋田県出身のヤクルト・石川雅規投手(45)だった。昨年11月に食事に行った際、協力を求めると「それ、いいじゃん!ぜひやりたいね!」と二つ返事で快諾を得た。「石川さんがいてくれるなら、形にできるかもしれない」と勇気をもらい、ほどなくして先述の「東京宮城県人会」で伊達にも相談を持ちかけたという流れだ。

 岸はもともと口数が多い方ではなく、秘めた思いを原動力にするタイプの性格だ。一方の石川は、自分が目指すものを明確に口に出しながら行動に移していく男だ。通算188勝の石川は以前から、同170勝の岸に「そろそろ“200勝を目指す”って口に出して言ってもいいんじゃない?岸なら絶対に達成できるから」と何度も伝えていた。なぜか。その意図を聞くと「やっぱり口に出すことで責任とか自覚も強くなる。“言霊”じゃないけど、言葉にすることで実現することだってあるから」と説明した。

 岸は昨年11月23日の契約更改後の記者会見で「200勝というところを頭の片隅に置きながら、頑張っていきたい」と発言した。初めて公の場で大記録への思いを明言し「そろそろ口に出してもいいのかな、って思った自分がいた」と続けた。尊敬する石川が目標を公言する背中を押してくれた。

 ラジオ番組で明かされた「みちのく草野球大会」の構想もまた、公共の電波を通じて発信したことで計画が動き出そうとしている。東北を愛するベテラン投手2人が練り上げる故郷への“恩返し”のプラン。今や「東北の顔」でもある「サンドウィッチマン」ともタッグを組むとなれば、想像しただけでワクワクする。(記者コラム・重光 晋太郎)

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