地方自治体がプロ球団を設立の初事例 韓国KBOリーグ2軍への来季参入が決定

[ 2025年12月16日 11:00 ]

 蔚山市球団の本拠地・文殊野球場(ストライク・ゾーン提供)
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 【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】

 「空前のブーム」、「スピード感」

 今の韓国KBOリーグを表すこの2つが後押しになったと感じさせる取り組みが10日、韓国野球委員会(KBO)から発表になった。

 韓国南東部にある蔚山(ウルサン)広域市がプロ野球チームを設立。2026年シーズンからフューチャーズリーグ(2軍)に参入することがKBO理事会で承認された。地方自治体が球団を設立、運営しプロに参入するのは今回が初めてだ。

 KBOリーグは1リーグ10球団制。2軍は10球団に加え、兵役期間中の一部選手が所属する尚武(サンム=国軍体育部隊)が参加し2リーグ11チームで構成されている。今回蔚山市の新球団が参入することで12チームとなった。

 蔚山市の金斗謙(キム・ドゥギョム)市長は参入理由について「野球人気が高まる中で蔚山市がプロ野球の新たな拠点として定着し、多くの市民が観戦を通して健全にレジャーを楽しめるようにしたい」とKBOを通してコメントした。

 近年のKBOリーグは過去最多の観客数を2年連続で大幅に更新。今季は国内人口の4人に1人に相当する1230万人以上が球場を訪れ、空前のプロ野球人気となっている。

 蔚山市には1万2000人収容可能な野球場があり、ロッテジャイアンツの準本拠地として年数回1軍公式戦を実施。また今季はNCダイノスの本拠地が事故により使用出来なかった期間、蔚山市が代替本拠地として名乗りを上げ、球場使用を積極的に進めた。

 また、韓国はソウル首都圏への一極集中が顕著で、プロ野球も5球団が首都圏を本拠地にしている。KBOは蔚山市の参入によって「野球の底辺拡大と雇用創出を通しての地域活性化」を期待している。

 来季の参入が決まった蔚山市球団だが首脳陣や選手構成、チーム名やユニフォームなど具体的なことはまだ発表になっていない。また室内練習場と選手宿舎は来季には間に合わず2027年完成予定だ。

 KBOリーグは「ロボット審判(自動投球判定システム)」を他のリーグに先駆けて導入。また、ピッチクロックや拡大ベースなどMLBで採用のルールを早期に取り入れている。これらには「準備が整ってからスタート」ではなく、「スタートしてから整える」韓国らしいスピード感があり、今回の新球団参入にも通じる。

 蔚山市球団は外国人選手を4人まで登録可能。シーズン中のKBOリーグ移籍も認められ、ステップアップを目指す米マイナー選手やNPBを戦力外になった選手にとってKBO入りへのアピールの場となる可能性もある。

 ◇蔚山市の新球団
本拠地 蔚山文殊(ムンス)野球場
チーム編成 首脳陣7人、選手35人以上を2026年1月中旬までに決定
所属選手 アマチュア、元プロ、外国人が登録可
最低年俸 3000万ウォン(約330万円。KBOリーグと同額)
外国人選手 4人まで。契約総額は1選手あたり10万ドル(約1550万円)まで
移籍 KBOリーグのドラフト指名歴がある選手と外国人選手は7月31日まで可能。1シーズン最大5人まで

 ◇KBOリーグの2軍
構成 北部6チーム、南部6チームの2リーグ制
試合数 1チーム当たり116試合

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