ポストシーズンを制するのはバレル率かつなぐ野球か? バレル率6.5%と最下位のブルワーズの挑戦

[ 2025年9月10日 11:23 ]

ブルワーズ・イエリチ(AP)
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 バレル率は強打者の証明である。バレル打球と判定されるには打球速度が最低98マイル必要で、その時の打球角度が26~30度なら必ずバレルになる。打球速度が1マイル上がるごとに、バレルと認められる角度の範囲は広がる。9月8日までの時点で、1位はヤンキースのアーロン・ジャッジで打球あたり24.5%、2位はドジャースの大谷翔平で22.6%だ。ところが、これをチーム別で見ると必ずしもチームの勝利につながっていないと、米データサイト「ベースボールプロスペクタス」が興味深い分析をしている。

 具体的にはエンゼルスはバレル率で10.8%と2位なのに、得点は611得点で25位、67勝77敗で、借金10個、ア・リーグ西地区4位である。一方でブルワーズはバレル率で6.5%と最下位なのに、得点は736点でMLB2位、89勝56敗でMLB全体で最高の成績を誇っている。理由はエンゼルスがコンタクト率が低いため、せっかくのバレル率を活かせていないからだ。三振率26.5%はMLB最悪、出塁率.302は下から3番目、コンタクト率71.9%は下から2番目である。今季198本塁打でリーグ5位ながら、出塁できないため効果が削がれている。

 一方、ブルワーズは見逃しストライク率17.9%はMLB最高だが、それは他球団より極端にボールをよく見ているから。O-Swing%(ボール球スイング率)25.5%、Z-Swing%(ストライクスイング率)62.3%はいずれも一番低い。極端な我慢強さが9.0%の四球率を支え、出塁率.333はブルージェイズに次ぐ2位。エンゼルスと違い、ブルワーズは出塁できる打者を並べている。ブルワーズの本塁打数は154本でMLB20位だが、チームBABIP(インプレー打球の打率/打者が打った打球のうち、ホームランを除いたフェアゾーンの打球が安打になった割合)は.305でMLB2位だ。良くボールを見て、ストライクは確実にバットに当てて、出塁する。自分たちが打てる球だけを選んでスイングする戦略が機能している。さらに走塁も得意で、152盗塁は全体2位である。つなぐ野球ができている。とはいえ、近年のMLBのポストシーズンゲームは、ホームランで決まることが多いと定説になっている。

 ちなみにバレル率の高いチームは1位ヤンキース、3位メッツ、4位カブス、5位ドジャースとポストシーズンに出てくる強豪ぞろいだ。はたして公式戦の王者ブルワーズはポストシーズンでも勝ち上がれるのだろうか?

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