【内田雅也の追球】大飛球アウトの「答え」

[ 2025年7月27日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神2―0DeNA ( 2025年7月26日    甲子園 )

<神・D>6回、牧を中飛に打ち取った才木(撮影・大森 寛明)
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 無四球完封をやってのけた阪神・才木浩人の投球で唯一ヒヤリとしたのが6回表、牧秀悟に浴びた左中間後方への大飛球だった。

 リードは1点。2死三塁。2ボール2ストライクからのフォークが高く浮き、とらえられた。左翼へ強い浜風も吹いていた。逆転2ランか。

 だが、打球はフェンス手前で近本光司が捕り、事なきを得ていた。

 「アウトはアウト」と試合後、捕手・坂本誠志郎は言った。「三振取ろうが、大きな当たりだろうが、アウトはアウトなんで。あれが甲子園じゃなかったら……と言っても、甲子園なんで」
 そう、プロは結果がすべてである。栗山英樹はスポーツキャスターのころ「なぜ?」と原因や理由を求めて取材していた。だが2012年、日本ハム監督に就くと「答えはない」と気づく。著書『伝える。』(KKベストセラーズ)で読んだ。

 <どんなに取材したって答えが見つからない理由も、実際に監督を経験してみて、はじめてわかった。そもそも、そこに答えはないのだ。なぜなら、みんな答えを求めて戦っているわけではなく、「結果」を求めて戦っているから>。

 だから、今から書くのも答えではない。牧を打ち取れた理由である。

 あの打席、初球、2球目とカーブを投げた。この夜ほとんど投げていなかった球種である。1回表、佐野恵太に1球(二ゴロ)、この6回表先頭の桑原将志の初球(ボール)の2球だけだった。

 牧の頭に「カーブ」が刷り込まれたはずだ。だから最後の一撃もわずかにタイミングがずれた、あるいは芯を外れた――と推論を問いかけてやめた。それは牧にしかわからないからだ。坂本も「それは相手にしかわかりません」と言った。

 坂本が才木を受けるのは4月1日DeNA戦(京セラ)以来だった。残り14試合は梅野隆太郎がコンビを組んでいた。

 監督・藤川球児に坂本とのコンビについて問うと「どうでしょうね」とリードには言及しなかった。「梅野は梅野の良さがありますし、栄枝には栄枝の良さがありますから。捕手というよりは才木が、四球がないということはピッチングフォーム自体、改善されてきたというところですから」

 リードに答えはない。求める「結果」が完封として出たなら理由などいらないのだろう。 =敬称略=
 (編集委員)

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