監督にバレた右肩の秘密…健大高崎のベンチを外れた「守備職人」牧嶋陽向は夏に帰ってくる

[ 2025年6月21日 22:52 ]

守備でチームに貢献する牧嶋(撮影・柳内 遼平)
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 第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)の群馬大会の組み合わせが決まった。今春選抜4強の健大高崎は7月12日に大泉―藤岡中央の勝者との初戦に挑む。

 2度目の日本一を狙う健大高崎に欠かせないユーティリティプレイヤーがいる。牧嶋陽向内野手(3年)。二塁、三塁、遊撃と内野はどこでも高いレベルで守れる守備職人だ。

 1年秋からベンチ入り。2年春の甲子園では背番号「19」として同校初の日本一メンバーになった輝かしい経歴の持ち主。そんな彼が春季関東大会ではベンチメンバーを外れた。スタンドで応援の声を枯らし、チームが果たした2年ぶり4度目の優勝を見届けた。

 「自分が実際にベンチから外れたことで“サポートしてくれた選手たちに自分は生かされていたんだ”と実感できました」

 この春、牧嶋は隠し事をしていた。県大会の開幕直前に右肩を痛めた。チームが勝ち進む度に痛みは増していく。それでも言えない、言えるわけがなかった。

 「やっぱりこの夏で高校野球は最後になる。この夏に全てを懸けて2年半やってきた。ここでメンバーから抜けるのは…最後までやり抜きたい気持ちがあった」

 強い気持ちとは裏腹に右肩の状態は悪化するばかり。それでもノックではいつもと変わらぬ鋭い送球を見せた…つもりだった。

 春季群馬県大会を優勝で終えた後、青柳博文監督から問われた。「右肩が痛いのか」。指揮官の目はごまかせない。進出した関東大会のメンバーに牧島の名はなかった。

 どこでも守れるという自分だけの強みがあり、安泰だったはずの夏のメンバー入り。突如、暗雲が立ちこめた。右肩を休める練習メニューに励むことになった牧嶋。「悔しくてふがいない気持ち」と焦りは日に日に増した。

 それでも関東大会でスタンドから仲間の姿を見守ったことで、だんだんと落ち着きを取り戻した。いままで応援してくれた仲間、夏を見据えて「ストップ」をかけてくれた青柳監督に感謝の気持ちが湧いた。

 「監督さんが止めてくれなかったら、あのまま続けていたら、もっと痛みが出て夏はプレーどころではなかったと思う。あの時はそこまで考えることができませんでした」

 冷静さを取り戻した牧島は右肩を癒やすことに集中した。6月中旬にキャッチボールを再開するなど回復は順調で本格復帰は近い。

 「自分の武器は守備。そこを夏に披露できるように頑張りたい」。回り道をした「守備職人」牧島が少し大人になった顔で誓った。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

 ◇牧嶋 陽向(まきしま・ようが)2007年4月4日生まれ、東京都東村山市出身の17歳。東大和第三小1年から東村山エコーズで野球を始め、第三中では武蔵府中シニアに所属。健大高崎では1年秋からベンチ入りし、2年春の選抜では背番号「19」で優勝メンバー。50メートル走6秒4、遠投90メートル。憧れの選手はソフトバンク・今宮。好きな食べ物は牛タン。尊敬する人は両親。1メートル78、70キロ。右投げ右打ち。

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