NPB球よりもMLB球は飛ぶ?虎ナインに本音を聞いてみた

[ 2025年3月17日 12:00 ]

ドジャース戦で佐藤輝は先制3ランを放つ(投手・スネル)(撮影・須田 麻祐子)
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 米大リーグとの試合でボール論争が降って湧いた。NPB公認球は飛ばない――と。本当なのだろうか。カブス戦の翌日の16日。ドジャースとのゲーム前、阪神勢にMLB球の打感を聞いた。

 NPB球と比べて何がどう違うのか。日本のものより飛距離が出るのか。

 「わかんないっすよ。うーん、わからないです」

 打撃練習を終えた前川は、そこに答えはないといった雰囲気で、言葉を続けることを避けた。カブス戦では強烈な三直と左翼への二塁打を放った。ただし、芯で捉えたその感触は、普段と相違がなかったようだ。

 今回のボール論争が生まれたのは、特別ルールが背景にある。日本側は守備時にNPB球を使い、その逆はMLB球を使った。投手に負担をかけない措置により、メジャー側はNPB球を打つことになった。

 阪神に3安打零敗をした試合後、カブスの4番・ターナーは「日本のボールが少し硬いと感じた。私たちのボールであれば本塁打をもっと打てたかもしれない」とNPB球は飛ばないという印象を口にした。投高打低が顕著な日本球界を覆う「ボールが飛ばない」という声を、図らずも支持する形になった。

 メジャーで3割を4回マークした主砲の「硬い」という感想を、木浪に伝えると「そう言われると、打った感じはちょっと柔らかかったかも」と記憶をたどった。

 やはり差異があるのか。と、思ったのも束の間、「でも、やっぱり違いはわからないですね」との答え。そしてこう続けた。「メジャーのピッチャーは単純に速いじゃないですか。それをしっかり打てば飛ぶと思いますよ」。ボールの性質よりも、相手の力を利用して飛ばす、そんなカウンターの働きの方が大きいのでは?と指摘した。

 カブス戦で二塁打を放った梅野も「わからないですね」と首を振った。打感は同じ。違いは質感だという。

 「試合中に球審が僕にMLB球を渡したんですよ。試合中は表と裏の攻撃で、NPB球とMLB球を使い分けていますから、間違えたんですね。で、渡されたボールをピッチャーに投げようと思って握った瞬間、あれ?変だなって。これ、MLB球だよって変えてもらいました。向こうのものは縫い目が低いですよね」

 23年WBCで国際大会に出場し、チームで最もMLB球を知っている中野の感想も「わからないです」だった。飛距離よりも、差が出るのは変化球ではないかと、推測した。

 「向こうの投手は見たことのない曲がり方をしますからね。日本の投手に比べて、変化量が大きいと感じます。スライダーなんか、特に」

 野球のボールの規格は世界共通で、重さは141・7グラム~148・8グラム、円周は22・9センチから23・5センチと決められている。7グラムと6ミリの範囲内で生まれる差が、「メジャーのボールは重い」、「日本のボールは小さい」といわれる日米のボールの違いにつながっているようだ。似て非なるものだから、飛距離や打感に違いが出るのも仕方ないと思うが、阪神勢からはそうした声は挙がらなかった。

 メジャーリーグでは全試合で打球速度や飛距離などのデータを公開している。日本球界でも近い将来、こうした指標がオープンになることが予想される。「この打球速度でこの角度なら、MLB球ならこれだけ飛んでいたはず」。打球サンプルが多く集まって、そんな比較ができたときに、ボール論争の答えが出るのかもしれない。(阪神担当・倉世古 洋平)

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