ドジャース・大谷 自己最多タイ46号!吉兆 5階席WS制覇ボード直撃の137メートル弾

[ 2024年9月10日 01:30 ]

インターリーグ   ドジャース4―0ガーディアンズ ( 2024年9月8日    ロサンゼルス )

<ドジャース・ガーディアンズ>5回、大谷は46号ソロを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 ドジャースの大谷翔平投手(30)は8日(日本時間9日)、ガーディアンズ戦で自己最多に並ぶ46号ソロを放った。右翼ポール後方の5階席最前列に並ぶ前身ブルックリン・ドジャース時代の1955年ワールドシリーズ(WS)初制覇を称えるプレートを直撃する飛距離137メートルの特大アーチ。悲願の世界一への“吉兆弾”でチームは快勝。優勝マジックを13に減らした。 

 暑さを吹き飛ばす強烈なスイングだった。1―0の5回1死。大谷は先発右腕バイビーの真ん中高めのチェンジアップを見逃さなかった。角度34度、速度116・7マイル(約188キロ)で舞った打球は、最高到達点で高さ119フィート(約36メートル)まで達し、右翼ポール後方5階席最前列のプレートを直撃した。

 リプレー検証で本塁打が認められると、ベンチに座っていた大谷は両手を突き上げた。エンゼルス時代21年の自己最多に並ぶ46号ソロに「落下点は見てなかったけど、切れるか、切れないか自分でも確認したので、フェアゾーンに収まってくれて良かった」。3回に中前打後に一塁で今季初のけん制死を食らったが、2安打1打点で、ともに自己最多となる101打点、162安打。打点はリーグトップタイに返り咲いた。メジャー通算217本塁打とし、秋信守(現韓国SSG)のアジア勢最多218本にあと「1」に迫った。

 最大の目標に掲げる世界一への“吉兆弾”にもなった。本塁打が直撃したプレートは、55年にブルックリン・ドジャース時代のWS初制覇を称えたもの。同年のド軍で32本塁打、107打点で自身3度目のMVPに輝いたのが、殿堂入り捕手ロイ・キャンパネラだった。今季の大谷は、キャンパネラが同年に記録した同一シーズン9試合連続打点の球団記録を69年ぶりに再現すると、翌日に10試合連続と更新した。ジャッキー・ロビンソンとともに「人種の壁」を乗り越えた黒人大リーガーの先駆者。同年のWS第7戦では、4回にそのキャンパネラが決勝のホームを踏んで初の頂点に立った。大谷の3度目のMVP受賞とともに、「三たびの再現」を期待せずにはいられない。

 気温は華氏103度(摂氏39・4度)まで上昇した。ドジャースタジアム史上最高気温タイという環境下でも大谷のバットは熱く、快勝に導き優勝マジックは2つ減り13となった。46盗塁と合わせて「46―46(46本塁打、46盗塁)」となり、年間52本塁打&52盗塁ペース。残りは19試合。「チームが替わっているのであまり今年は自分の数字は気にする余裕がない。各ゲームに勝ち、早く地区優勝を決めたい」。ひたむきに勝利を目指した先に、伝説となる「50―50」が待っている。(柳原 直之)

 ▼ドジャース・マンシー(8回に12号ソロなど攻守に活躍。大谷について)この球団で長くプレーしているが、私の2倍近くここにいるカーショーでさえ、あの場所に打球が飛んでいくのを見たことがないと言っていた。ベンチからの眺めは素晴らしかった。

 ▽1955年のドジャース 58年のロサンゼルス移転前でニューヨークのブルックリンを本拠地とし、98勝55敗で2位ブレーブスに13.5ゲーム差をつけて2年ぶり11度目のナ・リーグ優勝を飾った。8度目の出場となったワールドシリーズではヤンキースを4勝3敗で下し初制覇を果たした。42本塁打&136打点のデューク・スナイダー、キャンパネラらを中心に分厚い打線を組み、後に中日で野手としてプレーしたドン・ニューカムが20勝を挙げエース。サイ・ヤング賞を3度受賞するサンディ・コーファックスが19歳でメジャーデビューした。

 ≪同一シーズン134メートル以上12発は歴代2位タイ≫大谷は「打球データ」でもメジャー屈指の数値を誇る。46号ソロは、速度116・7マイル(約188キロ)、飛距離450フィート(約137メートル)。今季だけで飛距離440フィート(約134メートル)以上の本塁打は12回で、同一シーズンに限れば17年のスタントン(当時マーリンズ、現ヤンキース)の18回に次ぐ、2位タイ。通算41回は、1位のスタントンの64回、2位のヤンキース・ジャッジの46回に次ぐ3位。打球速度113マイル(約182キロ)以上の本塁打は、今季メジャートップの14回目となり、2位ジャッジの10回を突き放している。

 【大谷に聞く】

 ――史上初の「50―50」へ近づいている。

 「最後に振り返ればいいと思う。今日、シリーズに勝ってまた貯金を増やせたことが良かった」

 ――記録はいつから意識し始めたか?

 「あまり意識はしないようにしている。それよりは自分のいい感覚の打席を増やしたい。走塁ではいける時にしっかり進塁できれば。それが盗塁ではなかったとしてもタッチアップだとしても進塁する意識を持ちたい」

 ――安打数、打点なども自己最多。

 「1番を打っているので打席数も多い。その仕事をまずできればいいと思う。本塁打を打つこと以外にも、しっかり出塁して進塁していくというのを心がけて頑張りたい」

 ――過去の経験も踏まえて9月の戦いで気をつけること。

「(ベンチ入り枠が)増えるので多少投手の違いが各球団ある。対戦する投手の予測が多少変わることがあると思うけど、基本的にはあまり変わらない」

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