【筑後鷹】育成5年目・石塚の好調支える新スイング 「打撃職人」の技を学び、支配下枠狙う

[ 2024年4月9日 05:00 ]

打撃でアピールするソフトバンク育成・石塚
Photo By スポニチ

 ソフトバンクの育成5年目、石塚綜一郎捕手(22)は4日のウエスタン・リーグ、くふうハヤテ戦(タマスタ筑後)で今季2本目の本塁打を放つなど打撃でアピールしている。昨年は3、4軍の非公式戦でチームトップの22本塁打を放った右の大砲候補。NPB通算1108安打を放ち、今季から動作解析を担当する長谷川勇也R&D(リサーチ・アンド・ディベロップメント)スタッフ(39)の助言を生かしている。

 石塚のバットが振れている。3月26日のウエスタン・リーグ広島戦で第1号を代打で放つと、4月4日の同くふうハヤテ戦ではスタメン出場で今季2本目のアーチをかけた。昨年3、4軍の非公式戦で22本塁打した背番号121は「ずっといい感じを保てている」と自己分析する。

 “打撃職人”と呼ばれた長谷川R&Dスタッフの存在が大きいという。現役時代はソフトバンクで13年に首位打者、最多安打を獲得するなど通算1108安打を放ち、今季から現職で若手を指導する。2月の春季キャンプで「バッティングの無駄を省く」と助言され、スイングを試行錯誤した。「ぬるいというわけではないですけど、締まっていない状態だった」と改善に着手。下半身をしっかり使い、上半身が自然とついてくる連動したスイングを求めてバットを振ってきた。

 筑後市のファーム施設で、ルーティンにしている練習がある。データを入力することでさまざまな投手の球質や変化球の軌道を再現できる投球マシン「アイピッチ」での打撃練習。長谷川R&Dスタッフは時に実演してくれる。石塚は「1軍で首位打者、最多安打を残した人の打撃に近づけるようになったらバッティング技術も上がってくる」と指導に応えたい思いが強い。

 モチベーションがより高まる出来事もあった。3月8日に1軍に呼ばれ、ロッテとのオープン戦(ZOZOマリン)で代打安打を放った。球場には7417人が詰めかけ、ファームにはない雰囲気を味わった。「あんなにお客さんがいる前で野球をしたことがなかったので。ここで野球をして始めてプロ野球選手なんだな」と支配下登録、1軍への思いを強くした。

 育成の選手では同じ野手の川村、緒方、仲田の“育成三銃士”が春季キャンプからアピールし、開幕前に支配下登録をつかんだ。支配下選手枠はまだ5つ残っている。高卒で育成として入団し、今年で5年目となる。「やれることはやりきろうと。今まで以上に練習して努力を認めてもらえるような選手に」と強い決意だった。
 (杉浦 友樹)

 ○…石塚はオフに5球団7人の捕手が集ったチームの正捕手・甲斐の自主トレに参加した。育成出身の甲斐から技術はもちろん、支配下昇格を目指してどんな取り組みを行っていたかを学んだ。「今の僕の状況でどんなことをやっていたのかが凄く勉強になった。(具体的には)練習に取り組む意識のところです」と教えを生かすつもりだ。

 ◇石塚 綜一郎(いしづか・そういちろう)2001年(平13)6月7日生まれ、秋田県出身の22歳。黒沢尻工時代は投手としても活躍したが、甲子園出場はなかった。19年育成ドラフト1位で入団。背番号121。1メートル81、87キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月9日のニュース