防御率7・29から0・70に…ドジャース再生工場で生まれ変わったブレイシアが2年契約ゲット

[ 2024年2月6日 11:20 ]

レッドソックス時代のブレイシア(AP)
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 ドジャースが元広島のライアン・ブレイシア投手(36)と再契約。契約は2年900万ドル(約13億4000万円)で400万ドル(約5億9000万円)のインセンティブが付く。

 ブレイジアはレッドソックスで22年は68試合登板で防御率5・78、23年は20試合で7・29と不振。特に23年は9回あたり10・3本のヒットを打たれていた。5月21日に解雇され、6月5日にドジャースがマイナー契約で獲得した。

 レッドソックス時代のブレイシアはフォーシームとスライダーの投手だった。ド軍のマイナーのピッチング部長ロブ・ヒルとピッチングアナリティックコーディネイターのブレット・ミンタは、これに加えて対左打者でカッターも投げるべきと提案した。

 左打者はキャリア通算で被打率・267、長打率461と苦手にしていたからだ。3Aで2試合に登板しただけでメジャー昇格。ドジャースのメジャーでは39試合に投げ、防御率0・70、9回あたり4・2本のヒットと一転好成績。カッターは被打率・152、長打率・273だった。シーズン終盤はセットアッパーを任された。

 ドジャースの強みは優れたスカウトとコーチ陣が共同作業で、他球団で力を発揮できていない選手を見つけ、再生すること。

 クローザーのエバン・フィリップスもオリオールズ時代は防御率7・36だったが、21年、ド軍移籍後コーチからスライダーの握りを変えスピン量を増やし、もっと横滑りするようにと指導を受け、さらにカッターとシンカーをレパートリーに加えたことで、防御率1・74のリリーバーに生まれ変わった。

 ブレイシアはドジャース再生工場がいかに優れているかを示す直近の例だ。ド軍はこの契約でぜいたく税の対象となるサラリー総額は3億1000万ドルにまで上った。3年連続基準値を超えるだけでなく、2億9700万ドルの最大のしきい値も上回っているため、ペナルティの税率は110%。つまりドジャースはブレイシアが受け取る2年900万ドルと400万ドルの2倍以上を払わねばならない。

 とても高くつくが、これでド軍の試合終盤のブルペンはフィリップス、ブラスダー・グラテロル、ジョー・ケリー、ブレイジアとさらに強力になっている。

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