現役ドラフトでブレークの予感!ロッテ・愛斗“GG賞の誓い”来季こそ現実に

[ 2023年12月22日 08:00 ]

19日のロッテ入団会見で「投手の一生を背負って守備します」と語った愛斗(撮影・長久保 豊)
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 今月8日に第2回現役ドラフトが開催された。昨年の1期生からは大竹(ソフトバンク→阪神)、細川(DeNA→中日)らが環境を変えてブレークを果たし、一定の成果を収めた。

 今年も12人の移籍先が決まった。なかでもファンがアッと驚いた一人は、西武からロッテが新天地となった愛斗外野手(26)だろう。12人のうち、来季年俸1000万円以下が5選手。愛斗は馬場(阪神→巨人)、佐々木千(ロッテ→DeNA)に次ぐ3番目の来季年俸2900万円だった。今季は開幕から右翼のレギュラーをつかみ、5月末まで4試合を除いてスタメン出場。しかし、数字がついてこず、徐々に出場機会を減らし、73試合で打率・214、4本塁打、15打点でシーズン終了。現役ドラフトの対象となり、移籍となった。関係者によると、シーズン中も愛斗の2軍調整中、ロッテ側は足繁く視察に訪れ、獲得のチャンスを模索していたという。

 21年4月9日、担当記者として見届けた敵地ZOZOマリンでのプロ初本塁打を含む衝撃の2発が今も目に焼き付いている。同年8本塁打を放ち、翌年も9本塁打。パンチ力はあるが、確実性に乏しいのが大方の評価だ。しかし、愛斗には類い稀な守備力がある。レギュラーとして年間を通して出場することができれば、ゴールデングラブ賞にも手が届く逸材だと信じている。

 今季パ・リーグの外野手は抜群の守備範囲を誇る辰己(楽天)が3年連続3度目の受賞。強肩が武器の万波(日本ハム)が初受賞を果たした。この二人は来季も選出が有力視される。もう一人は近藤(ソフトバンク)が初受賞したが、来季も3人目は混沌とするだろう。愛斗は「常に相手の隙を狙っている」とたびたび、ライトゴロで打者走者を仕留めるなど、歴代受賞者の守備力と比較しても遜色ないと感じる。だが、西武での8年間は、絶対的なレギュラー獲得には至らず、どうしても守備機会という点で見劣りしていた。

 記者投票で選出されるMVP、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞は、この選手になぜ票が入っているのかと、ファンの間でも議論を呼ぶことがある。愛斗はゴールデングラブ賞の得票数で、昨季11票、今季は5票にとどまっている。記者はもちろん、貴重な1票を思い入れだけで投じることはしないと心に決めている。

 もちろん、ロッテでもレギュラー獲りは容易ではない。ただ、「ゴールデングラブ獲りますよ」。「楽しみにしてるよ」。環境が大きく変わる来季、毎年のように交わしてきた言葉が、実を結ぶのではないか。初めて票を投じることができるのではないか。そんな予感がしている。(記者コラム・花里 雄太)

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