阪神・青柳「監督より目立てるように」来季復権へ“最速始動” すでにトレーニング中「若い子たちと勝負」

[ 2023年12月6日 05:15 ]

阪神・青柳晃洋
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 阪神の青柳晃洋投手(29)が5日、30代で迎える9年目の来季にエース復権を目指すことを誓った。開幕投手を務めた今季は8勝(6敗)に終わり、先発陣の中心的存在も村上に譲ったが、オフに鍛え直して後輩たちとの勝負を制し、奪い返す算段。18年ぶりリーグ優勝、38年ぶり日本一は岡田彰布監督(66)が最も注目を集めたが、来季は選手が指揮官よりも目立つくらいの活躍をすることが2連覇、3連覇へつながると強調し、その中心となる決意を示した。

 11日に30歳を迎え、来季は31歳シーズンに向かう青柳。9年目を迎えるにあたり、決意の言葉を口にした。

 「監督よりも目立てるように頑張ります」

 そのココロは――。右腕は言葉を継いだ。

 「ヤクルトが2年連続優勝したり、オリックスが3年連続優勝したりというのは、選手たちがそう(成熟した選手に)なったから。選手に力はあると思う。連覇というのは大事なので、そういうチームになっていけたら」

 今季、18年ぶりリーグ優勝、38年ぶり日本一になったチームの話題の中心は、岡田監督だった。さえ渡る采配、勝負勘、パインアメ、「アレ」…。絶対的存在に引っ張られ、上り詰めた頂点といえた。しかし2連覇、3連覇にはプラスアルファが必要。選手個々が成熟し、それぞれが指揮官に並ぶ主役となることこそが、チーム力アップにつながる。青柳自身がそれを、誰よりも痛感している。

 「チームが日本一。自分が活躍していなくてもうれしかったので、活躍していたらもっと喜べるので、また優勝したい」

 21、22年は13勝。いずれも最多勝タイトルを獲得して先発投手陣の中心だったが、チームは2、3位だった。それが今季は村上、伊藤将、大竹が2桁勝利をマークした半面、青柳は8勝。CSファイナルSで登板がなく、日本シリーズも第7戦まで出番がなかった。ふがいなさを胸に、巻き返しを見据える。

 「年齢なのか疲労なのか可動域が狭まったりして…まず戻すところから。コンディションを戻せば以前のパフォーマンスはできる」

 そのために「30代の壁」にあらがう。3歳上の西勇らから「30歳からがしんどい」と聞いており、意識もしていたが、30歳シーズンは不完全燃焼。だからこそ今オフは“最速始動”で12月から可能な限り、トレーニングに時間を割く日々だ。

 年明けは今年1月同様、村上らとともに合同自主トレを予定。ただ前回とは違い、刺激を受け、逆に学ぶことも出てくる。「若い子たちと勝負です。僕はもう先発ローテを確約されていないですし、また勝負しなきゃいけない立場。成績で今年負けましたが、継続することが大事と見せられるよう頑張りたい」

 30代のエース復権、タイトル獲得へ――。青柳の完全復活が、岡田阪神2年目の最大補強になる。

 ≪日本S快投の裏に同期・高山からの熱いエール≫
 青柳は5日、MBSラジオ「森たけしのスカタンラジオ」に生出演し、先発した日本シリーズ第7戦にまつわる裏話を披露した

 第6戦の終盤、右腕の元に、15年ドラフト同期ながら10月上旬に戦力外通告を受けた高山からLINEが入った。「シーズンの最初(開幕)と最後に投げられるのは凄いうらやましいこと」「いろんな人の期待があると思うけど、そんなのは気にせず、そのまま自分のために自分の投球をしてもらいたい」――。熱い言葉の数々に青柳は「普段からそういうことを言う人ではなかった。なおさら気持ちが入った」。戦友からの激励を、日本一へ導く快投につなげた。

 またこの日、来季からイースタン・リーグに新規参入する「オイシックス新潟アルビレックスBC」への高山の入団が内定。「うれしい。応援したい」とエールを送った。

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