【甲子園】仙台育英“須江監督の方程式”3投手継投で16強 田中先発抜てきで聖光の狙いかわした

[ 2023年8月13日 05:30 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第7日2回戦   仙台育英8-2聖光学院 ( 2023年8月12日    甲子園 )

<仙台育英・聖光学院>校歌を歌う仙台育英ナイン(撮影・藤山 由理)
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 2回戦4試合が行われた。昨夏優勝の仙台育英(宮城)は、昨夏準決勝と同カードとなった聖光学院(福島)を8―2で下し、16強入り。先発の田中優飛(3年)から3投手の継投で逃げ切った。須江航監督(40)が掲げる「2回目の初優勝」へ向けて、指揮官のタクトに強力投手陣が応えた。八戸学院光星(青森)、専大松戸(千葉)、土浦日大(茨城)も3回戦に進出した。

 昨夏は「140キロクインテット」の継投策で頂点に立った。須江監督は決戦前夜と当日朝、ベッドの上で「継投の遅れは絶対に許されない!」と己への決意を何度も声にした。

 高橋煌稀、湯田統真、仁田陽翔(いずれも3年)と最速150キロ超投手を3人もそろえた「150キロトリオ」がチームの軸。先発マウンドを託したのは最速145キロ左腕の田中だった。須江監督が「ゲームをつくれるマン」と呼ぶ制球力が売りの背番号11。「緩い球を駆使して、相手が150キロ対策をしているところをかわす」と「トリオ」をおとりにする狙いがあった。

 浦和学院との初戦は投手陣が18安打9失点と崩れたが、田中は3回まで1失点。4回にソロを被弾し、次打者に二塁打を許したところで、世代最速の153キロ右腕・湯田にスイッチした。まだ46球でも「何球で変化が起こるのか、細かく見てきた。一番大事にするのは自チームのデータ」と迷いはなかった。

 3枚目に切ったカードには「2回目の初優勝」を狙う思いを込めた。初戦に続いて今大会最速の150キロをマークした湯田は8回まで無失点を続け、9回は初戦で4回5失点と乱調だったエースの最速151キロ右腕・高橋にリレー。「信頼はとても高い。心臓が飛び出るような場面で投げられるのは高橋」と復調の機会を与え、無失点で逃げ切った。試合前に天気予報を確認。次戦の3回戦が17日に順延することを見込み「高橋も湯田も使っていい」と判断した。

 チームに13人も140キロ超投手を擁する中、5投手をメンバーに選んだ。第4試合としては今大会最多の観衆2万7000人を集め、宮城県勢夏80勝目。「東北勢同士の対決でこんなにお客さんが入る。僕はとても感動しました」。お家芸の継投策にマジックもちりばめ、また力強さを増して勝ち上がった。(柳内 遼平)

 ▼仙台育英・田中 後ろにいい投手が控えているので、与えられたところをしっかり投げようと思った。

 ▼仙台育英・湯田 去年は投げるだけで精いっぱいだったが、今年は周りが見えている。

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