【阪神・糸井 引退スピーチ全文】「僕の野球人生は本当に幸せでした。密でした。やりきりました」

[ 2022年9月21日 23:37 ]

セ・リーグ   阪神4-10広島 ( 2022年9月21日    甲子園 )

<神・広>セレモニーであいさつする糸井 (撮影・奥 調)
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 今季限りで現役を引退する阪神・糸井嘉男外野手(41)の引退セレモニーが試合後に行われた。引退挨拶で糸井は、19年間の現役生活を「僕の野球人生は本当に幸せでした。密でした。やりきりました」と振り返った。

 以下は糸井の引退挨拶の全文。

 はじめに、大事な時期にこのような素晴らしいセレモニーを用意してくださった阪神球団、球団関係者、監督、コーチ、選手のみなさん、本当にありがとうございます。今日、僕はここで19年間というプロ野球選手に別れを告げます。改めて、このような光景を見させて頂くと、もう僕には悔いは残っていません。そして、育てて頂いた、北海道日本ハムファイターズ、オリックス・バファローズの両球団に感謝を申し上げます、本当にありがとうございました。

 投手として入団してわずか2年で野手転向を告げられました。そこから僕の野球人生は、変わりました。結果がでなければすぐに首を切られる世界。プロの世界はほんとに厳しい世界だと肌身に思い知らされました。そこからは、死にものぐるいでバットを振り続け、毎日毎日、もうあの思いをしたくないと、バットを振り続けました。あのときの悔しさ、努力の大切さ、僕の土台です。朝から晩まで、ペットのようにしつけてくれた大村コーチありがとうございました。あのときの土台があったからこそ、苦しいときも、心が折れそうなときも、前に立ち向かっていけました。その気持ちだけを持って、戦い続けてきました。

 いつしかみなさんが超人、超人と呼んでくださるようになり、最初は羽の生えた鳥人かなと思っていました。いつしか意味を理解し、今では心地の良い響きです。そしてFAでのこのタイガースに入団。正直、小さい頃から大好きで憧れの球団でした。金本前監督のご縁で入団することになり、初めてこの甲子園でプレーしたときの感動、興奮、胸の高鳴りは、一生忘れません。地鳴りのような声援、しびれました。みんなと優勝したい、勝ちたいその一心でこの6年間、戦い続けてきました。今年もまだチャンスはあります。信じています。タイガースは本当に成長したと思います。素晴らしいチーム、チームメイトです。みんなが声援に応えようと日々努力しています。強いタイガースの時代が来ることを、みんな信じていましょう。ファンの方々もそのときまで、僕と一緒に応援しましょう。

 最後になりますが野球を通じて出会えた人々に本当に感謝いたします。正直、もう“糸井ならうてるーや”が聞けなくなるのは寂しいです。でも僕の野球人生は本当に幸せでした。密でした。やりきりました。でも、超人伝説はまだまだ続きます。甲子園ありがとう!タイガースファンありがとう!おやじ、おかんありがとう!本当に19年間、温かいご声援ありがとうございました!

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