楽天・藤平「未完の大器」が見せた才能の片りん 恩師の言葉胸にさらなる高み目指す

[ 2022年9月3日 08:30 ]

力投する楽天・藤平
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 「未完の大器」が久しぶりに才能の片りんを示した。8月21日。楽天の先発・藤平がロッテ戦(楽天生命パーク)で5回1/3を1安打無失点に抑えに抑える好投を見せ、18年9月17日以来、1434日ぶりの白星をつかんだ。プロ6年目での本拠地初勝利に「野球人生の中で印象深い一日になった」と感慨をかみしめていたが、チーム関係者やファンにとっても待ちに待った特別な1勝だった。

 名門・横浜高のエースとして16年夏の甲子園の甲子園に出場し、同年秋のドラフト会議では1位指名でプロの門を叩いた。ルーキーイヤーに3勝を挙げ、2年目は4勝。着実に「エースへの道」を歩んでいるかのように見えたが、19年は3試合で0勝1敗、翌20年はわずか1試合の登板に終わった。昨季はキャリアで初めて1軍登板がなく、オフには背番号が「19」から「46」に変更された。

 ここ数年はフォームが固まらず、最大の武器である直球の球速は140キロ前後にまで落ちた時期もあった。試行錯誤を繰り返した結果、現在は球速が150キロを超え、多少甘いコースでも球の強さで抑えられるようになった。さらに、オフに自主トレで師事する岸から伝授されたチェンジアップがウイニングショットとして威力を発揮している。本来の姿を取り戻しつつ、進化を感じるスタイルに変貌を遂げた。

 今季は8試合(先発は5試合)で1勝0敗、防御率3・97。1日のオリックス戦は2回1/3を4失点(自責3)でKOされて出場選手登録を抹消されたものの、1軍の舞台で十分に可能性を感じさせるパフォーマンスを見せた。

 9月21日は24歳の誕生日。期待値が大きかった分、6年目でブレークできていないことに物足りなさを感じているファンも多いだろう。ただ、まだ23歳。大卒2年目と考えれば、十分に伸びしろに期待できる若さだ。石井監督は藤平に2軍行きを告げた際に「成長段階だから。1軍で投げて得るものばっかりだったと思う」と声をかけたという。

 4年ぶりの白星を手にした直後、藤平はクラブハウスで真っ先に電話でかけたのは横浜高の元監督の渡辺元智さんだった。「ここがスタートだから。また新たな野球人生を頑張ってください」。恩師の言葉に身が引き締まった。「目標がその日その日を支配する」。今でも大切にする人生訓を胸に、次なる目標に向けてさらなる高みを目指す。(記者コラム・重光 晋太郎)

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