オリックス・由伸 球団記録に並ぶ14連勝!投手5冠中4部門が断トツ、沢村賞は早くも“当確ランプ”

[ 2021年10月10日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス6-2ソフトバンク ( 2021年10月9日    ペイペイD )

<ソ・オ>3回、川島を三ゴロに仕留め声を上げる山本(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 オリックスの山本由伸投手(23)が9日のソフトバンク戦で8回2失点の好投をみせ、1973年に米田哲也が記録した14連勝の球団記録に並び、17勝目を挙げた。8年ぶりにソフトバンク戦の勝ち越しも決め、敗れた2位・ロッテとのゲーム差を3に広げた。早ければ12日に優勝へのマジックナンバーが点灯する。

 球界屈指の強打者も笑うしかなかった。8回2死二塁。2ストライクから投じた外角へのカーブでバットを凍り付かせた。手が出ず、前のめりで“お手上げ”とばかりに苦笑いする柳田を横目に、11個目の三振を奪った山本はグラブを叩いた。

 「リードだけは絶対守る。何とかしようと思い切り投げました」

 150キロに迫る高速フォークを投げ分ける奥の手も効いた。「ゾーンに投げる球と三振を取るような低めの球を打者の特徴に当てはめて投げ分けています」。変化も操る。「投げ方は秘密。感覚のところで」。象徴的な場面が6回先頭の川島に投じた宝刀で、スライダー回転させ外角へ逃げるように落として空振り三振。逆に、シュート回転させて右に落とすなど相手打線に的を絞らせなかった。

 8回2失点で、両リーグトップ独走の17勝目。自己最長14連勝はパ・リーグでは24連勝した13年の田中将(楽天)以来で、阪急時代の73年米田哲也の球団記録にも並んだ。入団から75年途中の移籍まで歴代最長となる20年にわたり背番号18を付けた先輩と肩を並べた形だ。防御率1・46、193奪三振など「投手5冠」のうち勝率以外は断トツで、06年ソフトバンク・斉藤和巳以来、史上8人目の偉業も現実味を帯びる。さらに球団では14年金子以来の沢村賞に早くも当確ランプを灯した。

 敗れた2位ロッテを3ゲーム差に突き放し、10日にも14年以来のクライマックスシリーズ進出が決まる。「一試合一試合、全力でやってきたい」。あと2試合程度の登板が見込まれる。25年ぶりの悲願へ連勝街道を見据えた。(湯澤 涼)

 《米田に並んだ》山本(オ)が14連勝。シーズン14連勝以上は13年田中将(楽)の24連勝以来、史上12人目で13度目。球団では阪急時代の73年米田哲也に並ぶ最多連勝記録になった。沢村賞選考に用いる7項目の両リーグ3傑を見ると山本は防御率1・46、完投5、勝利17、投球回178回2/3、奪三振193の5項目で1位。防御率2・50、15勝、勝率・600、150奪三振の4項目では基準もクリアしている。

 《M最速点灯は12日》首位オリックスの優勝マジック最速点灯は12日。10日のソフトバンク戦と12日のロッテ戦に連勝し、ロッテが10日の日本ハム戦に○か△ならM7、●ならM6が出る。10日に敗れても、ロッテが連敗&10日楽天●の場合にM7が出る。

続きを表示

この記事のフォト

2021年10月10日のニュース