「打率残せばチャンスある」 広島・小園の1本塁打は執念の裏返し 意識変化から見る打撃変遷

[ 2021年7月22日 08:00 ]

<広・中(14)>4回1死、小園は右中間に先制のソロ本塁打を放つ (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 「1本塁打」には、1軍にしがみつくための執念が見える。広島・小園海斗内野手(21)は、打率・326の高水準で前半戦を終えた。高卒1年目の19年は4本塁打。甘く入れば遠くに飛ばせるパンチ力を持ちながら、軽打を重視する今季は208打席で1本塁打のみにとどまっている。

 打率を最優先にするようになったのは、出場3試合に終わった昨季の挫折がある。ウエスタン・リーグの打率が一時1割台と不調に陥る間に、2軍打率3割を超えていた羽月や大盛らが1軍に呼ばれた。「打率を残せばチャンスはある」。ノーステップ打法などの引き出しを増やして今季の逆襲に備えてきた。

 これまでは長打を狙うとスイングの形が崩れた。新人時代から何度も口にしてきたのが「“甘い球が来た!”と思うと上半身が力んでしまって打ち損じてしまう」。初球からタイミングよく強振できるのが長所。ただし、タイミングを合わせられるがゆえに、思い切りよく振ろうとして上体が突っ込んでいた。

 今季、第1ストライクを捉えた打席は、打率・364と、1年目の同・235を大きく上回る。絶好球にも力まないように我慢しているのだろう。若いカウントでの打ち損じが減ったことで打率上昇につながった。

 ただし、長打を捨てたわけではない。「自分はコツコツ当てにいく打者ではない」。自らのパンチ力は十分に理解している。その上で、長打と打率を同時に追い求めるのではなく、まずは打率や出塁率を最優先に置いているのだ。目の前の結果にこだわるところに、2度と2軍に戻らないという決意が見える。

 入団会見で公言した目標は「トリプルスリー」。ときに豪快なスイングを見たくもなるが、ここは周囲も我慢のとき。打率が下がって出場機会を失えば元も子もない。遊撃を手放さないことが、何よりの成長材料である。(記者コラム・河合 洋介)

続きを表示

「始球式」特集記事

「稲葉篤紀」特集記事

2021年7月22日のニュース