オリックス・吉田正 8回2死から起死回生の逆転V撃 明日からの阪神戦へ「次のカードにつながる1勝」

[ 2021年5月31日 05:30 ]

交流戦   オリックス8-7ヤクルト ( 2021年5月30日    京セラD )

<オ・ヤ(3)>ヒーローインタビューを終えガッツポーズの吉田正(右)と富山 (撮影・奥 調)
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 冷静に喜びをかみしめた。8―7での逆転勝利に吉田正は「ルーズベルトゲーム、盛り上がりますよね。取ったり取られたり、見応えある試合。次のカードにつながる1勝」と穏やかな笑みだった。

 負ければ借金は今季最多タイの6。こん身の一振りで窮地を脱した。6―7の8回2死二、三塁。守護神・マクガフの153キロ直球を完璧に捉えた。「しっかり速い球に合わせていった」。強烈なライナーで右中間を真っ二つに破り、2者を迎え入れる。今季初三塁打で逆転勝利をもたらした吉田正に中嶋監督も「ああいうところで打ってくれるのが頼もしい」と脱帽だった。

 5月の月間成績は打率・382、6本塁打。24打点はリーグトップだ。好調維持の秘けつは「毎打席修正し、次につなげる。(試合に)出ている立場なので、長いスランプをなくす」と挙げる。決勝打の打席はカウント1―3まで全て変化球を見逃し。5球目は155キロ直球を空振りしたが「1球、直球を見られたのが大きい」。短時間で感覚を修正し、フルカウントからの直球を確実に仕留めた。

 交流戦勝率を5割とし、あす6月1日からセ・リーグ首位の阪神との対戦に臨む。「関西対決でしっかり勝ち越し、借金を減らしていくしかない」。交流戦全6試合で2桁安打を記録する打線の中心に吉田正がいる。(桜井 克也)

≪増井3部門制覇持ち越し≫
 先発・増井は最速150キロ直球を軸に、5回3安打2失点と力投。勝利投手の権利を得て降板したが、リリーフ陣が逆転を許したため「12球団勝利」の達成はならなかった。すでに「12球団セーブ」と「ホールド」は達成しており“3部門制覇”となれば、史上初だった。記録は来年以降に持ち越しも「失点した場面は死球や失投で、もったいないところもあったが、それ以外は完璧に近い内容だった」と今後に向けての手応えは十分な登板だった。

≪富山プロ初勝利≫
 3年目の富山が初勝利をマークした。5―7の8回から5番手として登板。1死一、二塁のピンチはつくったが、確実に後続を断ち、直後の逆転劇につなげた。今季20試合の登板で10ホールドを記録するなど、リリーフ陣に欠かせない存在となっている左腕は「家族に渡す」と言うウイニングボールを手に「何か、初勝利ってこういう感じで来るんだな…」と初々しい表情だった。

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