【新井さんが行く!】支援学校との交流 選抜大会出場の八戸西に拍手 甲子園を楽しんでほしい

[ 2021年3月2日 07:00 ]

<センバツ発表・八戸西>ティー打撃で使う「絆のボール」(撮影・沢田明徳)
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 プロ野球のキャンプが終わって、開幕が待ち遠しいけど、その前に19日から甲子園球場で選抜大会が始まる。昨春は史上初の中止。例年以上に特別な大会になる。

 個人的に注目している高校の一つが初出場する八戸西だ。小川貴史監督が弟・良太(阪神打撃コーチ)と駒大野球部で同期。レギュラーにはなれなかったけど、日々の練習からスゴく頑張る子だったと聞いていた。

 支援学校で教員を務めながら、母校の野球部を指導。今回21世紀枠で選ばれた理由の一つには、勤務する支援学校の生徒と野球部員の交流があった。支援学校の生徒がテープを巻いて修復してくれたボールを使って練習に励んだそうだ。

 支援学校で教えながら、放課後は母校のグラウンドへ。大変な両立だと思う。頑張ることの意味、感謝することの大切さを伝えてきたのだろう。高校野球の監督は指導者である前に教育者としての役割が大切だと以前から思っている。部員全員が地元・青森出身の公立校で、昨秋の青森大会は準優勝、東北大会で8強入り。結果だけでなく、過程が素晴らしい。大学の先輩の一人として本当に誇らしい。大会3日目に同じ21世紀枠の具志川商と対戦。子供たちと一緒に甲子園を楽しんでほしい。

 昨年は夏の甲子園大会も中止だった。広島工で仲の良かったチームメートの息子さんは強豪校の選手として県大会で優勝したのに甲子園のグラウンドを踏めなかった。同じような思いをした球児がたくさんいる。いまでも悔しい気持ちが残っていると思う。3年間必死に打ち込んできた心情を思うと胸が痛い。

 この春に卒業する3年生の無念を一番近くで見てきたのが、1、2年生たちだ。まずは選抜、そして、夏へと続く。高野連はじめ関係者の方々も開催へ尽力してくれると思う。いつも以上にたくさんの人の思いを背負った大会。精いっぱいプレーしている姿を応援したい。(スポニチ本紙評論家・新井 貴浩)

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